開発途上国都市の住環境改善のための参加型都市計画制度に関する研究 ―タイ、フィリピン、ベトナムを対象とする国際比較研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12572024
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 城所 哲夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00282674)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 瀬田 史彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (50302790) ; 大西 隆 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80143824)
• Keywords: 開発途上国 / 都市計画 / 住環境 / 市民参加 / 国際協力 / 低所得者居住地域 / マイクロ・クレジット

Research Abstract

平成13年度調査として、各対象国において詳細調査を行った。タイにおいては、都市計画制度の導入・展開過程に関して詳細な文献、都市計画関連部局ヒアリング調査、都市計画公聴会・審議会等における議論の展開に関する分析、市民・行政官・専門家に対する計画理念に関する意識アンケート調査を実施し、その結果としての制度環境が住環境整備に及ぼす影響を解明し、今後の制度改善の方向に関する検討を行った。フィリピンにおいては、マニラ首都圏を対象として、住民主導型の住環境改善先進事例の事例調査を、参与観察、キーパーソン・インタビュー、住民アンケート調査により行った。この結果、とりわけ、低所得者層の生活環境の改善に対して大きな効果をもたらすとして近年注目されているマイクロ・クレジット事業を都市低所得者層地域において展開すす場合の意義と留意点に関して興味深い知見を得た。ベトナムにおいてはホーチミン市を対象として、それぞれ異なる住環境整備事業の実施過程を有する複数の低所得者層地域の比較事例調査を実施し、住民間の社会的ネットワークの形成が住環境改善事業の成否に関して重要な寄与をもたらすことをキーパーソン・インタビュー調査、住民アンケート調査を通じて明らかにした。今後、これらの都市で得られた知見をより精緻化していくと同時に、国際比較研究の立場から総合化していく予定である。

Research Products

• [Publications] 吉嶋法生, 城所哲夫, 大西隆: "タイの都市計画制度の確立過程とその政治経済的背景に関する考察"日本都市計画学会学術論文集. No.35. 169-174 (2002)
• [Publications] 城所哲夫: "開発途上国都市貧困層地域における住民主導型の居住環境改善事業と計画思潮"都市計画. 50巻・5号. 41-44 (2001)