2000 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・障害者を考慮した歩行者案内表示システムの普及と技術開発に関する研究
Project/Area Number |
12572026
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
田中 直人 摂南大学, 工学部, 教授 (60248169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 三千子 摂南大学, 工学部, 助教授 (70288968)
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Keywords | バリアフリー / アジア / サイン / 高齢者 / 障害者 |
Research Abstract |
平成12年度においては中国・台湾・シンガポール・香港・タイ・韓国などのアジア地域の各国を現地調査した。いずれも、欧米や日本のバリアフリー基準を積極的に取り入れて、空港・駅舎などの中心的なターミナル施設や、都市中心部分のバリアフリー整備が実現の方向に向かっている様子が見うけられた。しかし、周辺の道路や公園・広場などについては、仮設放置物が多いことや、点字ブロックの敷設、段差の切り下げ等部分的な配慮はあるものの不十分で、多くの安全・快適性の面で問題を有していた。このような周辺への面的な整備を評価する上で重要な指標である案内表示システムについても、配慮は不十分であると言わざるを得ない。現段階では、それぞれの国において、欧米や日本のバリアフリー基準をそのままのかたちで持ちこんでいるといった状況であるので、独自の気候風土や文化に適応していない面が多く、さらなる練り直しが必要であると思われる。また、ヒヤリング調査の結果において、バリアフリー環境の整備に関する住民の意識が低いことが明らかとなり、まずは行政側の努力によってより快適な環境の実現を期待するといった状況である。 今後は、さらにオセアニア地域での同調査を予定しているとともに、欧米の福祉先進国におけるバリアフリー状況の再調査を考えている。そして、福祉先進国の最近の状況を参照しながら、アジア・オセアニア地域の調査で明らかとなった、高齢者・障害者を考慮したバリアフリー環境と案内表示システムの整備の問題点について考察を深めて、技術開発と普及にむけての具体的提案につなげたいと考えている。
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