2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・障害者を考慮した歩行者用案内表示システムの普及と技術開発に関する研究
Project/Area Number |
12572026
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
田中 直人 摂南大学, 工学部, 教授 (60248169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 三千子 摂南大学, 工学部, 助教授 (70288968)
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Keywords | バリアフリー / アジア / サイン / 高齢者 / 障害者 / ユニバーサルデザイン |
Research Abstract |
平成13年度は昨年度の調査に引き続き、アジア・オセアニア地域における主要国の中心都市における高齢者・障害者を考慮した歩行案内表示について現状と技術の普及状況について調査した。オーストラリアおよびニュージランドの各国はアジアの各国に比して、都市環境としてのバリアフリーの整備が比較的進んでいることが確認できた。高齢者・障害者を考慮した歩行案内表示に関しても、空港ターミナルや鉄道駅などの公共空間においては必要な配慮は一応なされていることを確認した。しかし、その水準はわが国で近年、導入されているような通信情報システムではなく、すべてをハード面において対応するという考え方は少ないと思われる。この点はヨーロッパにおける整備においても同様の傾向があることが指摘される。今回の調査では北欧のデンマーク及びスウェーデン、ドイツ、オランダ、ベルギーにおける新しい対応技術への取り組み事例を調査し、今後の案内表示システムの普及に向けた可能性を検討することを試みた。その中で、従来の表示システムが視覚的なものだけに依存する事例が多いこと確認した。新しい事例では五感の様々な感覚をを利用し、さらに環境や歴史に調和する案内表示の工夫が見出された。さらに国内事例の調査を通じて、公共空間の事例としての地下街や総合病院を対象に現場と利用者や関係者の意識を調査し、今後の整備課題を抽出した。今後はこれらの事例から、わが国における関係者の取り組みや開発成果を検証して行きたいと考える。
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