2000 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカにおける放射線ガン治療技術の開発と導入に関する歴史的・実証的研究:スタンフォード大学における産学協同をケーススタディとして
Project/Area Number |
12572038
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
上山 隆大 上智大学, 経済学部, 教授 (10193848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 研 上智大学, 経済学部, 講師 (70275014)
山中 浩司 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (40230510)
鬼頭 宏 上智大学, 経済学部, 教授 (50138377)
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Keywords | 科学史 / 放射線医学 / 産学協同 / 大学病院 / 医療用線形加速器 / 医学史 |
Research Abstract |
本研究『アメリカにおける放射線ガン治療技術の開発と導入に関する歴史的・実証的研究:スタンフォード大学における産学協同をケーススタディとして』は、12年度の調査を順調に完了し、13年度に引き続き調査を行う予定である。 平成12年度の研究結果は次の通りである。12年度の夏、7月末から9月の始めにかけて、スタンフォード大学のSpecial Collection Archiveにおいて、Kaplan papers,Ginzton papers,Sterling papersの調査を、またUC BerkelyのBancroft LibraryのVarian Associatesの資料調査を、上山隆大、Tim Lenoir,Christophe Lecuyerが共同で行った。本来この作業に参加する予定であった山中浩司は、今年度の夏の調査に参加することができなかったため、上山が資料を持ち帰り、帰国後、毎月大阪大学において開かれた研究会において検討を重ねた。多くの新しい資料とりわけ、(1)Varian Associatesの経営戦略の議事録、(2)スタンフォード大学病院の放射線学科のマニュスクリプト、(3)California Medical Associationの資料を発掘した。本来この期間に行う予定であった、スタンフォード大学病院のドクターとエンジニアーへのインタビューは13年度に延期された。 新しい資料によって、スタンフォード大学病院でのcliinacsの開発チームの構成、その最初の実験がMicrowave Laboratoryで行われたこと、clinacsの開発はVarianのElectronics Divisionに大きな財政的負担をおわせ60年代に大きな失敗を経験していたこと、70年代以降のWar on Cancerの社会的要請によってKaplanのチームは巨額の政府援助を得て大きな技術革新を行っていたことが明らかになった。 今年度の調査は最終的な論文に大きな手がかりとなった。その手始めに、『医療と社会』という雑誌の特別寄稿論文として、上山隆大が「アメリカにおける医療の変容と物理工学」を発表した。また、12年11月のHistory of Science Societyにおいて、上山隆大,Lenoir,Christopheが連名で、"Instrumentalizing Medicine:Physics Research,Medical Practice,and the Development of Linear Accelerators for Cancer Therapy at Stanford University and Varian Associates,1952-1980"という報告を行った。
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Research Products
(1 results)