2002 Fiscal Year Annual Research Report
中国における部門別省エネルギーと汚染物質削減の潜在力及び限界コストの推計
Project/Area Number |
12572044
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
李 志東 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80272871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 浩吉 日本エネルギー経済研究所, 研究統括本部長
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Keywords | 中国 / エネルギー / 大気汚染 / 二酸化炭素 / モデル / シミュレーション分析 / 環境 / 国際協力 |
Research Abstract |
マクロ経済モデル、エネルギーモデルと環境モデルからなる統合型計量分析モデル(3Es-Model)を構築し、中国における2030年の経済、エネルギー、環境に関するシミュレーシヨン分析を行い、問題と対策に関する検討をおこなった。以下の結論を得た。 (1)中国が2030年までに年率6%台の経済成長を維持する潜在力を持つ。 (2)高度経済成長とともに、石油と天然ガスの純輸入問題を中心とするエネルギー安全保障問題、硫黄酸化物の大量排出による大気汚染問題と酸性雨などの越境汚染問題、二酸化炭素排出量の急増間題がさらに深刻化となる。 (3)エネルギー環境問題の解決を図るために、省エネルギーの強化、再生可能エネルギーの導入促進、天然ガスの利用拡大、クリーンコールテクノロジの普及、水素利用技術の開発、石油備蓄制度の整備、環境保護システムの再構築などの国内自助努力対策が必要である。同時に、CDM(クリーン開発メカニズム)などを活用する国際協力も有効である。 (4)電力部門において、熱効率向上による省エネルギーと汚染物質削減の潜在力が大きい。地域別にみると、西北部と西南部地域の石炭火力の限界コストが最も低い。 (5)中国の水力を中心とする再生可能エネルギーの導入の潜在力が大きい。西南部で水力発電基地と水素製造基地を建設することが持続可能な発展に寄与である。 (6)日中ともに、エネルギー安全保障問題、大気汚染問題と酸性雨汚染問題、二酸化炭素抑制問題を抱えている。問題解決には、日中相互協力の必要性もメリットも大きい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 李志東, 伊藤浩吉, 他1名: "中国中長期経済、エネルギー、環境に関する計量経済分析"エネルギー経済. 29・307. 65-72 (2003)
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[Publications] 李志東, 伊藤浩吉, 他2名: "中国中長期石油需給と安全保障戦略に関する研究"エネルギー経済. 29・307. 72-79 (2003)
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[Publications] LI ZHIDONG: "An econometric study on China's economy, energy and environment to the year 2030"ENERGY POLICY. 31/11. 1137-1150 (2003)