2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12573003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
垣本 史雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00092544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 尚 愛媛大学, 理学部, 教授 (00036360)
荻尾 彰一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20242258)
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Keywords | 宇宙線 / 空気シャワー / 加速源 / 化学組成 / 超新星残骸 / 宇宙ガンマ線 / 中性子星 / 宇宙線伝播 |
Research Abstract |
本研究目的は、南米ボリビア・チャカルタヤ山宇宙線研究所にある既存の空気シャワーアレイに、一部装置を増設し、宇宙線エネルギースペクトラム、化学組成と到来方向の関連を明確にし、Vela超新星残骸(SNR)が高エネルギー宇宙線の発生源であることを確立することにある。 平成12年度は、観測装置の設置、および、予備データの収集を行った。本観測は、平成13年度より開始し、平成14年度はさらに観測を継続した。このため、5月より10月末まで得能(研究協力者、東工大D2)、7月より8月まで荻尾、7月から10月末まで蔵品(研究協力者、東工大M2)を派遣した。これにより、予定通りのデータ蓄積を達成できた。 得られたデータは、垣本、荻尾、吉井により解析が行われている。最終結果は、まだ得られていないが、銀系領域220度から260度にかけて銀画面から、約0.3%の宇宙線の過剰が観測できた。一方、シミュレーション計算結果によれば、Vela SNRの年齢が10^5年であるか、太陽系からの距離が250pcであれば、観測結果が説明できることがわかった。これに対する現在の値は、それぞれ10^4年、500pcであるが、ROSATの観測結果により、10^5年前に一度爆発があったこと、また、距離も250pcであるとの報告が出されている。いずれにしても、宇宙線過剰度のエネルギー依存性を解明することがきわめて重要であることがわかった。 以上、本研究経過は、第27回国際宇宙線会議や日本物理学会において口頭発表した。
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