2002 Fiscal Year Annual Research Report
活動的な活火山ラバウル山カルデラのマグマの通り道の探査
Project/Area Number |
12573005
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 拓郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (70187417)
佐竹 健治 産業技術総合研究所, 活断層研究センター, 地震被害予測研究チームリーダー
安藤 雅孝 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80027292)
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Keywords | ラバウル・カルデラ / 火山、地震、速度構造 / New Ireland / New Britain / Wetin fault / Radiated Energy / Earthquake Sources / Earthquake Moment |
Research Abstract |
我々はラバウル・カルデラの3次元速度構造を決定づけるトモグラフィー研究を完了した。455個の地震と、Rabaul Earthquake Location and Caldera Structure(RELACS)プログラムの25の爆発からデータを使用した。これらのP波の到達時間のデータをインバージョン・プログラムに使用し、速度構造を推定した。インバージョンの計算には、resolutionやcheckerboard testを使用するなどの、結果の妥当性をはかる大規模なテストも行った。結果には、深さ1〜3kmのカルデラの中部で低速度域が見られる。この低速度域は1934年、1994年のラバウル・カルデラの噴火のマグマ・ソースだと解釈できる。一つ興味深い結果は、1マグマ溜りは近年の噴火の火道から2,3km離れたところに位置しているということであるこれが意味することは、マグマ溜りから爆発している火山までマグマが通る経路が存在するということである。 また、2000年11月にニュー・アイルランド近くで起きた大地震(M8.0)に関する研究も続けていた。世界中に設置されている遠地データをもとにこの地震のすべり分布を決定すると、2日以内にニュー・ブリテン海溝沿いの50〜150km離れたところで2つの大地震(M7.5とM7.6)が誘発されて起きていたことがわかった。この研究の主な目的の一つは後の2つの地震を誘発した原因をさぐることにある。このために、最初の大地震からの静的応力分布の変化を計算し、2つの誘発された地震が最初の地震から応力のレベルが増大または低下した場所で起きていないかを調査した。我々が出した結果は、最初の地震発生から4時間以内に起きた2つ目の地震は静的・応力変化によって引き起こされている可能性があるというところである。40時間後に起きた3つ目の地震については、静的応力では説明できない。これらの結果は、地震波からの動的誘発は2つの地震の誘発での重要な要素であること示している。 2003年3月に、ラバウル火山観測所よりIma Itikaraiを招聘し、ラバウル・カルデラとニュー・アイルランド地震のについて研究の報告を受けた。
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