2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヴェトナム中部Truong Son褶曲帯の形成と発展-アジア大陸の形成過程の研究(IGCP-411)-
Project/Area Number |
12573010
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
波田 重煕 神戸大学, 大学教育研究センター, 教授 (40036554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 孝紀 信州大学, 理学部, 助手 (00303446)
乙藤 洋一郎 神戸大学, 理学部, 教授 (90160895)
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Keywords | ヴェトナム / ソン・マ縫合帯 / テクトニクス / 古地磁気 / 大陸衝突 / 古生代 / 中生代 / 新生代 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ゴンドワナ大陸の分裂に始まり複雑な過程を経て出来上がったアジア大陸の形成過程を明らかにするために、ヴェトナムの変動帯を重要な鍵となる地帯の一つと見なし、その形成と発展の過程を明らかにすることにある。申請者等が長年取り組んでいる西南日本外帯の黒瀬川地帯の起源は、ゴンドワナ大陸起源の大陸片が集結して形成されたアジア大陸のヴェトナムから南中国にかけての部分に求められる可能性が強い。すなわち、アジア大陸の原形が形成されて後も引き続くプレートの運動に伴って、とくに大陸縁辺部ではさらに横ずれ運動やスラスト運動が進行して、複雑な地質を有する現在の黒瀬川地帯のような蛇紋岩メランジュ帯が形成された可能性がある。また、新第三紀始新世初期にはインド陸塊がアジア大陸に衝突することによって、アジア大陸に集結していた陸塊はブロックごとに変形したり回転運動を行ったとみなされる。 上記のような考え方を裏付けるデータを収集するために、本年度は、インドシナ陸塊と北インドシナ-南東中国大陸地塊との境界を形成するソン・マ縫合帯の野外調査とハノイ北西の北インドシナ-南東中国大陸地塊中に分布するトリアス紀から白亜紀の陸成層の古地磁気を検討するための試料収集に当たった。前者に関しては、ソン・マ縫合帯の特性・履歴を明らかにするために地質調査を実施し、層序や構造に関するデータを収集すると共に、堆積岩岩石学的、層序学的あるいは放射年代学的検討を進めるための試料を収集した。現在その分析を進めているが、ソン・マ縫合帯では広域的な変成作用を伴いながら、インドシナ陸塊がアンダースラス卜するように右横ずれ運動が進行したことなどが明らかになりつつある。
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