2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12573011
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 行雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90144914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川幡 穂高 独行行政法人・産業技術総合研究所, 研究員
松尾 基之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10167645)
|
Keywords | PT境界 / 大量絶滅 / プルーム / 南中国 / ボーリング / 火山灰 / 超大陸 / 超酸欠事件 |
Research Abstract |
平成13年度は、史上最大規模の生物大量絶滅がおきた古生代・中生代境界事件の原因究明をめざす本研究計画の2年次にあたる。研究代表者の磯崎は、9月に中国側の共同研究者である姚建新教授とともに南中国雲南省の建水地域と大理地域を約1週間訪問し、野外調査を行った。また磯崎は、姚教授および大学院生1名とともに、12月から1月にかけて3週間、四川省峨眉山南方地域および重慶周辺地域の野外調査を行った。これらの地域には、異常火山活動の痕跡を残すペルム紀の地層、あるいは火成岩が好ましい状況で露出していた。現地では詳細な地層記載と地表における岩石試料採取を行い、またプルーム起源岩の探索を試みた。特に四川省峨眉山南方地域の2地点において、地表での風化を被っていない新鮮な岩石試料を採取する目的で、現地の業者を雇ってボーリング調査を行った。採取した岩石試料は船便にて日本に送られ、現在化学分析の準備中である。 本年度までの研究の結果、以下の事が判明した。 1)四川省に分布する上部ペルム系には広範囲に追跡される凝灰岩層が認められ、特に生物の大量絶滅の層準に顕著に挟まれる。 2)それらの凝灰岩の分布域の広さ、および均一の厚さから判断して、それをもたらした火山活動がかなり大規模なものであったと推定される。 3)ペルム紀末の絶滅は2段階のステップを通して進み、その両方がともにスーパープルームに由来する火山活動、特に洪水玄武岩とそれに先行する特異な初期火山活動と、ほぼ同時期におきた。 磯崎は、本研究成果の一部を別表に示す論文として公表した。また7月には全米古生物学会議に出席し、研究成果を口頭発表した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Isozaki, Y.: "An Extraterrestrial Impact at the Permian-Triassic Boundary ?"Science. 293. 2343a (2001)
-
[Publications] Isozaki, Y., Ota, A.: "Middle/Upper Permian (Maokouan/Wuchiapingian) Boundary in Mid-oceanic Paleo-atoll Limestone in Kamura and Akasaka, Japan"Proc.Japan Acad.. 77B. 104-109 (2001)
-
[Publications] Musashi, M., Isozaki, Y., Koike, T. Kreuken, R.: "Stable Carbon Isotope Signature in Mid-Panthalassa Shallow-water Carbonates across the Permo-Triassic Boundary : Eirdence for 13C-depleted Ocean"Earth Planet Sci. Lett.. 191. 9-20 (2001)
-
[Publications] Kato, Y., Isozaki, Y. Nakano, K.: "Geochemistry of Late Permian to Early Triassic Pelagic Cherts from Southwest Japan : Implication for an Oceanic Redox Change"Chem.Geol.. 182. 15-34 (2002)
-
[Publications] Uono, Y., Isozaki, Y., Yurimoto, H. Maruyama, S.: "Carbon Isotope Signatures of Individual Archian Microfossils (?) from western Australia"Intern.Geol.Rev.. 43. 196-212 (2001)
-
[Publications] 磯崎行雄, 太田彩乃: "超海洋中央部での古生代末大量絶滅事件と浅海環境の急変-海山頂部相中・上部ペルム系石灰岩の生層序および岩相層序-"地学雑誌. 110. 427-432 (2001)
-
[Publications] 磯崎行雄: "全地球史解読(伊藤孝士・吉田茂夫編)内第6章・4項,5項"東大出版会(印刷中). (2002)