2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12573011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 行雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90144914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川幡 穂高 独立行政法人産業技術総合研究所, 研究員
松尾 基之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10167645)
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Keywords | P-T境界 / 大量絶滅 / プルーム / 南中国 / ボーリング / 火山灰 / G-L境 / 超大陸 |
Research Abstract |
平成14年度は、史上最大規模の生物大量絶滅がおきた古生代・中生代境界事件の原因究明をめざす本研究計画の3年次にあたる。研究計画代表者の磯崎は、10月に中国側の共同研究者である姚建新教授ともに南中国陜西省の漢中地域へ9日間出張し、2段階絶滅の最初のフェーズにあたるG-L境界層の野外調査を行い、またボーリング実施のための下調査を行った。11月下旬の2週間、姚教授および同研究所の姚培毅教授を東京大学へ招聘し、研究打ち合わせを行った。また12月下旬から1月上旬にかけての3週間、陜西省漢中地域および四川省朝天地域へ出張した。漢中地域において、現地の業者をやとってG-L境界層をはさむ約65mの地質ボーリングを行った。採取した岩石試料(約1.6トン)は、3月上旬現在、船便にて中国から日本に送られている途中である。サンプルが到着次第、化学分析を開始する予定である。 本年度までの研究の結果、以下の事が判明した。 1.陜西省および四川省に分布する上部ペルム系には広範囲に追跡される凝灰岩層が認められ、とくに生物の大量絶滅が2段階でおきたP-T境界およびG-L境界層準に顕著な層が挟まれる。 2.それらの凝灰岩の分布域はほぼ南中国の全体をおおい、また均一の厚さをもつことから判断して、それをもたらした火山活動がかなり大規模なものであったと推定される。 3.ペルム紀末の絶滅は2段階のステップを通して進み、その両方がともにスーパープルームに由来する火山活動とほぼ同時期におきた。大量絶滅の原因に異常火山活動が深く関与していたことが推定される。 本研究成果の一部を別表に示す論文として公表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kato, Y., et al.: "Geochemistry of Late Permian to Early Triassic Pelagic Cherts from South-west Japan : Implication for an Oceanic Redox Change"Chemical Geology. 182. 15-34 (2002)
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[Publications] 磯崎行雄: "P/T境界での巨大隕石衝突は本当か?"日本惑星科学会誌「遊星人」. 11. 35-41 (2002)
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[Publications] 太田彩乃 et al.: "宮崎県高千穂町上村に産する古海山頂部石灰岩中のペルム紀中・上部境界での炭素同位体比変動"地学雑誌. 111. 684-694 (2002)
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[Publications] Matsuo, M., et al.: "Mossbauer Spectroscopic Study on Characterization of Ion in the Permian to Triassic Deeo-sea Chert from Japan"Hyerfine Interact. (in press).
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[Publications] Nuguyen, D.N., et al.: "K-Ar Ages of Aegirine-augite from the Paleozoic Alkaline Plutonic Complex in Southnest China"Sci.Rept.Hiruzen Res.Inst.. (in press).
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[Publications] 熊沢峰夫(編): "全地球史解読"東京出版会. 560 (2002)