2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12573011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 行雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90144914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川幡 穂高 独立行政法人, 産業技術総合研究所, 研究員
松尾 基之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10167645)
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Keywords | P-T境界 / 大量絶滅 / 生層序 / 南中国 / 炭素同位体 / 火山灰 / G-L境界 |
Research Abstract |
平成15年度は、史上最大規模の生物大量絶滅がおきた古生代・中生代境界事件の原因究明をめざす本研究計画の最終年次である。これまでの3年間に採取した大量の岩石試料を整理/記載し、また各種の科学分析を行った。特に、2段階の大量絶滅がおきた中期-後期ペルム紀(Guadalupian-Lopingian)境界および後期ペルム紀-前期トリアス紀(Permian-Triassic)境界周辺の地層に付いて詳細な岩石学的記載をおこなった。またコノドント、アンモナイト、フズリナなどの各種産出化石の同定に基づき、絶滅イベント層準と生層序学的に定義される境界を各々の境界について識別した。さらに炭素同位体比変動の解析を試み、両境界で特徴的な変動パタンを高分解能で示した。研究計画代表者の磯崎は、それらの結果をもって12月に北京市の地質科学院地質研究所に赴き、中国側の共同研究者である姚 建新教授とともに、結果のまとめと今後の研究方針を議論した。その結果の一部は、3編の論文(印刷済1編、印刷中1編、査読中1編)として今年度まとめられたが、その他のデータについては平成16年5月に米国で開かれるアメリカ地質学会において口頭発表のほか、順次論文化して発表の予定である。 本年度の研究の結果、以下の事が判明した。 1)四川省北部に分布する中・上部ペルム系には広範囲に追跡される凝灰岩層が認められ、とくに生物の大量絶滅が2段階でおきたG-L境界およびP-T境界層準に顕著な層が挟まれる。 2)ペルム紀末の絶滅は2段階のステップを通して進み、その両方がともに広域の酸性火山活動とほぼ同時期におきた。大量絶滅の原因に異常火山活動が深く関与していたことが推定される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Isozaki, Y., et al.: "Stratigraphy of the Middle-Upper Permian and Lowermost Triasic at Chaotian, Sichuan, China -Record of Late Permian Double Mass Extinction Events-."Proc.Japan Acad.. 80B. 10-16 (2004)
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[Publications] 清水 紀英 他: "中国四川省北部朝天におけるP-T境界層の詳細層序"地学雑誌. 113. 1-21 (2004)
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[Publications] 内尾 優子 他: "シベリア南部ゴルニアルタイ山地のカンブリア紀付加体中に産する古海台/海山頂部起源石灰岩"地学雑誌. 112. 563-585 (2003)
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[Publications] Uchino, Y., et al.: "Stable Isotopes and Petrography of 13C-Depleted Kerogen in Ca. 3.5 Ga Hydrothermal Silica Dikes in the North Pole Area, Western Australia:"Geoch.Cosmoch.Act.. 60. 573-589 (2004)
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[Publications] 磯崎 行雄, 中山健: "資源環境地質学(鹿園 直建,中野 孝教,林 謙一郎(編))"資源地質学会. 498 (2003)