2000 Fiscal Year Annual Research Report
マントルのジルコン年代学-南アフリカ・テクトスフィアの成因-
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12573012
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 敬 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50270921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 大成 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (60253241)
高橋 栄一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40144779)
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Keywords | かんらん岩 / ジルコン / パイロクシナイト |
Research Abstract |
当初予定では南アフリカ及びボツワナに赴く予定であったが、現地のカウンターパートとの調整がつかず、今年度はスペイン南部にある、世界最大のかんらん岩体であるロンダかんらん岩体の野外調査を約一ヶ月半にわたって行った。調査は研究代表者を含めてのべ5人で行った。野外では岩石の産状の細かな記載と、とくにパイロクシナイトおよびその近傍のペリドタイトの試料を約1トン採集し、東工大へ持ち帰った。 ロンダかんらん岩体には多数のパイロクシナイトがペリドタイト中に見られることで良く知られている。パイロクシナイト中にはジルコンが地球深部でも安定であることが確認されており、ジルコンの年代学をキンバーライト中の捕獲岩に応用する前に、その産状を岩体において確認することを大きな目的とした。ロンダかんらん岩体は過去の研究によって、岩体内部には大きな温度差があったことがわかっている。パイロクシナイトに存在するジルコンに関して、その安定性および鉱物中に微量に含まれるウランと鉛の閉鎖系が高温でどのようになっているか、を天然の試料で確かめる絶好の場所である。そのため、調査範囲を広く100km2以上に設定し、とくに温度の差を大きくみられるようにした。 持ち帰った試料は東工大において薄片を大量に製作し、現在岩石顕微鏡にてその微細組織および鉱物の同定を行っている。近い将来、とくに岩体全体における、またひとつのパイロクシナイト中におけるジルコンの分布があきらかになると思われる。
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[Publications] K.Hirose,Y.Fei,S.Ono,T.Yagi,K.Funakoshi,K.Hirose,Y.Fei,S.Ono,T.Yagi,K.Funakoshi: "In-situ measurements of the phase transition boundary in Mg3Al2Si3O12:implications for the nature of the seismic discontinuities in the Earth's mantle"Earth and Planetary Sciences. 181. 567-573 (2001)
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[Publications] K.Hirose and Y.Fei: "Melting of subducted basalts and formation of anti-crust at the bottom of the mantle"G-cubed. (submitted). (2001)
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[Publications] S.Ono,K.Hirose,N.Nishiyama,M.Isshiki: "Phase boundary between rutile-type and CaCl2-type germanium dioxide determined by in situ X-ray observations"Geophysical Research Letters. (submitted). (2001)