2001 Fiscal Year Annual Research Report
地震と地震後の降雨による崩壊発生の日本・台湾の比較研究
Project/Area Number |
12574003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
沖村 孝 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (50031125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 宣之 神戸大学, 都市安全研究センター, 助手 (70294246)
吉田 信之 神戸大学, 都市安全研究センター, 助教授 (20166961)
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Keywords | 地震時山腹崩壊 / 震後の降雨時山腹崩壊 / 台湾921地震 / 地震時斜面安定解析 / 地形立地解析 |
Research Abstract |
本研究は、台湾921地震で発生した山腹崩壊場所の地形立地解析、および動的解析をも考慮した地震時斜面安定解析、更には地震後の降雨により発生する山腹崩壊のメカニズム解析を行う。 本年度は、定点観測地点で地震後の降雨により、崩壊が拡大するか否かを継続調査した。本年度は6月、7月、11月の3回現地調査を行った。2001年には7月と9月台風による1,000mm以上の豪雨があったにもかかわらず、拡大は殆ど観測されず、崩壊地では植生の回復が観測された。本年度は、空中写真を入手し、精査したところ、1999年9月21日に地震が出現し、その後の2001年6月12日から13日の降雨(総雨量174.1mm、最大時間雨量42.5mm)で崩壊が拡大、新規発生したことが確認できた。我々の最初の観測開始が2001年7月であったため、観測開始時にはすでに六甲と同様に地震後の崩壊があったことが確認できた。このためこの降雨を入れた安定解析を実施し、地震時の崩壊、および地震後の降雨による崩壊原因を考察した。これには前年度現地で入手したレーザーミラー法による地形図が大いに役に立った。 地震時に出現した崩壊の地形立地解析では、解析対象を濁水渓の南を対象とした、格子は40m間隔である(六甲山系では50m)。崩壊場所の比高率では、六甲が中腹からやや上に多かったのに対して、台湾では段丘地域と山腹が対象地に含まれていたため、これらの特徴が現れ、小さな比高率での出現も多かった。傾斜では六甲が50〜55°の急傾斜で多かったのに対して、30〜35°の斜面の崩壊が多かった。これは六甲が硬岩の花崗岩であるのに対して、台湾では第三紀層の軟岩が多かったためと考えられる。傾向面の偏差では、両地域ともほぼ同様になった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 沖村 孝, 鳥居 宣之: "A study on slope failure due to post-quake rainfall in Rokko Mountains"5^<th> Int. Nat. Conf. on Geomorphology. (2001)
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[Publications] 沖村 孝: "921集集地震による山腹崩壊とその後の降雨による崩壊"神戸大学都市安全研究センターシンポジウム. 23-55 (2002)
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[Publications] 沖村 孝, 鳥居 宣之: "地震ならびに地震後の降雨を起因とする斜面崩壊地の三次元地震応答特性"平成13年度砂防学会研究発表会. (2001)
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[Publications] 沖村 孝, 鳥居 宣之: "地震時斜面の残留変位簡易算定手法の適用性"第36回地盤工学研究発表会. (2001)
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[Publications] 沖村 孝: "豪雨時における斜面危険度評価"第36回地盤工学研究発表会ディスカッション. (2001)
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[Publications] 沖村 孝: "斜面の安全性とは"日本学術会議第31回安全工学シンポジウム. (2001)