2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12575031
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Research Institution | HOKKAIDOU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿部 純 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00192998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 章 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30281794)
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Keywords | ダイズ / 遺伝資源 / 多様性 / マイクロサテライト / 分化 / 在来種 |
Research Abstract |
過去2年間の研究調査では不十分な地域として、アジア地域ではベトナム南部を、また、低温ストレス耐性の遺伝資源を有するヨーロッパではイタリアとスイスを中心に、栽培ダイズに関する情報収集およびその遺伝資源の収集を行った。また、タイ・カセサート大学のプロンパン研究員を招聘し、過去2年間タイ各地より収集されたダイズ在来種の農業特性および遺伝学的特性を解析し、各地域でリリースされた改良品種のそれらの特性と比較した。得られた成果は以下のようにまとめられる。 タイ北部より収集された在来種20系統について、9個のマイクロサテライトマーカーの多型ならびにアイソザイム遺伝子型の多型を解析した。いずれのマーカーにも多様な変異が存在した。各地域でリリースされた改良品種の多型を併せて解析した結果、収集された在来種系統の多くは改良品種の遺伝的組成と良く似た組成を示した。しかしこれらの在来種系統の中には改良品種には認められない在来種固有の変異体を併せ持つ系統があり、これらの系統がリリースされた改良品種と古くから栽培されてきた在来種の混合またはそれらの雑種に由来することが明らかになった。このような遺伝的構造は、形態形質の解析からも示唆された。 一方、遺伝資源の収集は、9月上旬にイタリアおよびその周辺国について、また、ベトナム中部並びに南部については、カントー大学教授ユン博士の協力を得て12月上旬および翌2月に、ダィズ栽培の実態調査を行い、併せて栽培種(在来種を含む)計25系統を収集した。これらについては、増殖および一次特性の評価後、マィクロサテライトマーカーを用いた多型解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Xu, Abe, Gai, Shimamoto: "Diversity of chloroplast DNA SSRs in wild and cultivated soybeans : evidence for multiple origins of cultivated soybean"Theor Appl Genet. 105. 645-653 (2002)
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[Publications] Abe, Xu, Suzuki, Kanazawa, Shimamoto: "Soybean germplasm pools in Asia revealed by nuclear SSRs"Theor Appl Genet. 106. 445-453 (2003)
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[Publications] Sakai, Kanazawa, Fujii, Thseng, Abe, Shimamoto: "Phylogenetic relationships of the chloroplast genomes in the genus Glycine inferred from four intergenic spacer sequences"Plant Syst. Evol.. (印刷中). (2003)
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[Publications] Abe, Xu, Miyano.Komatsu, Kanazawa, Shimamoto: "Photoperiod-insensitive Japanese soybean landraces differ at two maturity loci"Crop Sci.. (印刷中). (2003)
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[Publications] Hong, Masuda, Nakano, Abe, Uyeda: "Adaptation of cucumber mosaic virus soybean strains (SSVs) to cultivated and wild soybeans"Theor Appl Genet. (印刷中). (2003)