Research Abstract |
東・東南アジアにおけるHuman Herpes Virus8(HHV8)関連疾患の分子疫学について調査を進めている。 共同研究体制の構築:この課題遂行のため,台湾,韓国,タイの主要研究機関,大学医学部病理学教室に,AIDS合併,非合併のカポジ肉腫,多巣性キャッスルマン病,リンパ腫で,利用可能な組織ブロックの保存の有無を問い合わせ,協力を要請した.その結果,台湾では2施設,韓国4施設,タイ3施設から協力を受諾する旨の返事を得た.昨年度の台湾に引き続き,今年度は深山,竹内が大韓民国ソウル大学,アサン病院,テグ大学に出向き,組織標本,臨床情報を確認した(カポジ肉腫症例9,キャッスルマン病8検体,リンパ腫104検体).これらの標本については,未染色切片を各施設から日本に送付していただいた.来年度はタイを訪問する予定である, 日本における資料分析:現在,韓国の検体の解析を進めている.HHV8潜在期に発現するORF73蛋白を認識するモノクロナール抗体(国立感染症研究所片野博士供与)を用い,HHV8の存在をカポシ肉腫6病変中5病変,キャッスルマン病4病変中1病変に確認した.一方,同一切片から抽出したDNAを用いたORF26-PCRでは,各々,6病変中5病変,4病変中4病変にampliconが認められた.Direct sequenceによる塩基配列決定を行うと,韓国カポシ肉腫5例の型はA3例,C2例であり,日本における頻度(12例中A5, B/B'4, C3例)とは異なりB/B'が稀であるが,一方台湾の頻度(18例A5, B/B'1,C12例)とも異なり,C型優位の傾向はみられなかった.一方,キャッスルマン病では全例C型で,日本人非AIDSリンパ腫(12例中A4, B/B'2, C7例)と同様,C型優位であった.
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