2000 Fiscal Year Annual Research Report
コスタリカ住血線虫症の疫学、診断ならびに免疫病理に関する研究
Project/Area Number |
12576006
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉村 堅太郎 秋田大学, 医学部, 教授 (90053058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 和人 秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
島田 博子 (菅谷 博子) 秋田大学, 医学部, 助手 (30235626)
松田 信治 秋田大学, 医学部, 助教授 (70199800)
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Keywords | コスタリカ住血線虫 / Sarasinula linguaeformis / IL-5 transgenic mice / ELISA / Gelatin Particle Agglutination Test / モノクローナル抗体 / DNA診断 / ブラジル |
Research Abstract |
1.疫学調査:2000年8月(冬季)と12月(夏季;この調査は共同研究者のGraeff-Teixeira教授が実施した)に、ブラジル国Santa Catarina州、Nova Itaberaba地区においてコスタリカ住血線虫の中間宿主における感染状況ならびに地区住民の同虫に対する抗体保有状況をELISAによって調査した。8月にはSarasinula linguaeformis(感染率1.5%=6/399)、Phylocaulis variegatus(5.3%=1/19)、Deroceras sp.(2.8%=1/36)に感染を認め、Deroceras属のナメクジの感染は今回初めて証明された。住民127人うち29人(22.8%)が抗体を保有していたが、全て無症状であった。一方、12月の調査では24.2%(38/157)のS.linguaeformisが感染していた。つまり、冬季と夏季で中間宿主における感染率に著しい季節変動がある。12月には170人の住民から採血を行ったので、抗体保有率を調査中。 2.免疫診断法の開発:成虫抗原を用いて、Gelatin Particle Indirect Agglutination Test(GPAT)のbox titrationを行い、条件設定が終わったので、患者や感染マウスの診断における感度と特異性の検討を行う。 3.コスタリカ住血線虫に対するモノクローナル抗体:感染マウスの脾細胞を用いて腫瘍細胞との融合を行い、79、83、260kD抗原を認識するもの2クローン、35、79、260kDを認識するもの1クローン、35、77、85、135、270kDを認識するもの3クローンを得た。これらのモノクローナル抗体を用いて循環抗原の検出を試みる予定。 4.コスタリカ住血線虫のDNA診断システムの開発:患者の血液を検体として本症のDNA診断を行うことを目的として、まず好適宿主のコットンラットに本種を感染させ、感染前後に採取した全血のDNAの差異によってターゲットとなるフラグメントを確定するという戦略の下にDNA抽出を終わり、現在フラグメントの選別を行っているところである。 5.免疫病理:IL-5 transgenic mouseはnon-transgenicのC3H/HeNに比べて感染抵抗性が強い。また、腸壁の虫卵沈着は少なく、腸病変も軽微であった。つまり、好酸球が抵抗性に関与する可能性がある。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yoshimura,K: ""Angiostrongylus (Parastrongylus) and less common nematodes" in Topley and Wilson' Microbiology and Microbial Infections. Vol.5 Parasitology, edited by Cox, F.E.C., Kreier, JP.and Wakelin, D.(改訂版)"Arnold, London, U.K.(in press 分担). (2001)