2000 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおけるB群ヒトロタウイルスの浸淫状況の解明
Project/Area Number |
12576011
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (80186759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
實方 剛 鳥取大学, 農学部, 助教授 (20205991)
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
小島 和暢 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20264517)
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Keywords | ロタウイルス / B群 / 成人 / CAL-1 / インド / 中国 |
Research Abstract |
3年間にわたる本研究の実施のため、海外共同研究者および所属研究機関に対し、本研究の概要を説明して協力を依頼した。バングラデシュ、インドにおいてはすでに同意が得られており、成人下痢症便検体の収集とB群ロタウイルスの遺伝子解析が行なわれている。ただしB群ロタウイルスが検出されているのはインドのみである。中国、タイ、ミャンマーにおいても共同研究の提案が了承され、間もなく研究が開始される予定である。 1998年にインド・カルカッタ市で成人の下痢症例より検出されたB群ロタウイルスCAL-1については構造蛋白(VP4,VP6,VP7)遺伝子および非構造蛋白(NSP1,NSP2,NSP3)遺伝子の配列を決定し、既知のB群ロタウイルスとの関連を解析した。CAL-1の遺伝子は、今までに報告されたBロタウイルスの中では、中国でヒトにおいて検出されたADRVと高い相同性(91〜94%)を示したが、動物(ウシ、ラット、ヒツジ)由来株との相同性は低かった。ただしCAL-1のVP4,NSP2,NSP3には、塩基の挿入などにより、推定されるアミノ酸数に顕著な違いが見られた。従ってCAL-1とADRVとは遺伝的に起源を同じくするものの、異なる地域で独自に分子進化を経たものであることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sen A,Kobayashi N,Das S,Krishnan T,Bhattacharya SK,Urasawa S,Naik TN.: "Amplification of various genes of human group B rotaviruses from stoo specimens by RT-PCR."Journal of Clinical Virology. 17. 177-181 (2000)
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[Publications] Sen A,Kobayashi N,Das S,Krishnan T,Bhattacharya SK,Naik TN.: "The evolution of group B rotaviruses."Lancet. 357. 198-199 (2001)
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[Publications] Kobayashi N,Naik TN,Kusuhara Y,Krishnan T,Sen A,Bhattacharya SK,Taniguchi K,Alam MM,Urasawa T,Urasawa S.: "Sequence analysis of genes encoding structural and nonstructural proteins of a human group B rotavirus detected in Calcutta, India."Journal of Medical Virology. (印刷中). (2001)
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[Publications] 小林宣道: "ロタウイルスワクチン開発の現状と問題点."ウイルス感染症セミナー. 2. 33-41 (2000)
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[Publications] 小林宣道,浦沢正三: "特集1:胃腸炎ウイルス 1.ロタウイルス."ウイルス. 50. 157-172 (2000)