2000 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリ原発事故被災者における血液種瘍発症と発症機序の研究
Project/Area Number |
12576018
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今村 展隆 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 講師 (60110821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 信夫 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (10034646)
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Keywords | チェルノブイリ原発事故 / 急性放射線障害 / 外部照射(β、γ線) / Myelodysplastic syndrome / 急性骨髄性白血病 / 慢性骨髄性白血病 / 再生不良性貧血 / 好中球減少症 |
Research Abstract |
本年度は、チェルノブイリ原子力発電所の事故時1986年に、急性放射線障害(ARS)を発症した人々についての医学調査を主に行った。調査対象はキエフ在住の186名であり、大半は^<131>I,^<132>I,^<134>Cs,^<137>Csによるβ及びγ線の外部照射を受けた人々で、急性放射線障害度I〜IIIの96名と、障害度を特定し得なかった90名である。障害度I(ARS-1;0.8〜2Gy)1名は1996年にmyelodysplactic syndrome(MDS)を発症したが現在も生存中である。ARS-2(2〜4Gy)は2名で、1名は1990年にCMLを発症し同年に死亡した。他の1名は1998年に急性骨髄性白血病(AML,M4)を発症し同年に死亡した。ARS-3(4.1〜6.3Gy)は2名で、1名は1993年MDSを発症し同年に死亡しており、他の1名は1995年にMDSを発症、1996年に死亡した。この他障害度を特定出来なかった5名のうち4名は1986年に2名が再生不良性貧血を発症し、1名が1987年に死亡し、他の1名については現在消息不明である。又他の1名は無顆粒球症を発症したが現在消息不明、1名は血小板減少性紫斑病を発症し、脾臓摘出により現在も生存中である。他の1名は1987年に無顆粒球症(好中球減少症)を発症し現在経過観察中である。又本年度の健康診断にて1名の好中球減少症患者を見出した。現在、リンパ球サブセットを解析中である。 ARS患者の大多数は精神的及び肉体的な不定愁訴を持ち、又経済的な問題を抱えている。ARS患者の大多数は不能者として扱われており、就労出来ず、年金生活をしているのが実態である。
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[Publications] Imamura Nobutaka: "Hematological disorders induced by irradiation in Hiroshima and Chernobyl ; Analysis of myeloperoxidase-negative acute leukemias by flow cytometry using monoclonal antibodies and of point mutations of p53 suppressor oncogene in myelodysplastic syndrome. "Experimental Oncology. 22. 64-72 (2000)
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[Publications] Imamura Nobutaka: "High incidence of neutropenia caused by NK or NK like T-cell proliferative disorders among atomic bomb survivors."Exp.Oncol.. 22. 82-83 (2000)
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[Publications] Imamura NObutaka: "Annotation : New treatment strategy for malignant hematologic disorders and neoplasia by graft verus leukemia/tumor reaction."Exp.Oncol.. 22. 86-87 (2000)