2000 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアに多発する絨毛性疾患産生hCGβとその糖鎖添加酵素遺伝子特性の研究
Project/Area Number |
12576028
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福岡 秀興 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80111540)
|
Keywords | 絨毛性疾患 / hCG / 糖鎖構造 / 絨毛癌 |
Research Abstract |
絨毛性疾患はhCGを産生する、妊娠娠絨毛の腫瘍化により発症し、時に致死的な転帰をとり、東南アジアで多発する。腫瘍化によりhCGの糖鎖構造や活性は大きく変化するので、糖転移酵素を含めた種々の蛋白発現制御機構の解析に適した糖蛋白ホルモンである。日本では激滅しているので、多発地域での患者尿の精製、腫瘍組織のDNA,RNA抽出技術等を有するカウンターパートが存在して可能となり、タイ国マヒドール大学内科学Rajata Rajatanavin教授をカウンターパートとして共同研究をおこなっている。絨毛性疾患由来hCGの糖鎖解析を分子生物学的手法を用いてを行う。腫瘍化による糖鎖構造の変化を、糖転移酵素の遺伝子発現より解析する。なお絨毛組織よりのRNA抽出及び患者尿のマヒドール大学での採取は、大学倫理委員会の承認下にインフオームドコンセントを得て行っている。現在なお検体数は充分ではないが、1)hCGのLHTSH活性の解析、2)hCGの糖鎖構造の解析(含む等電点分析,シアル酸分析,脱糖鎖酵素処理に対する特性,レクチン吸着性その他)、3)hCG遺伝子発現の分析、4)糖転移酵素(シアリル・トランスフェラーゼその他)遺伝子発現の分析を行っている。TSH活性であるが、従来言われてきたごとく絨毛癌症例すべてが甲状腺機能亢進症を呈しないことが明らかとなった。更に、それぞれのhCGの糖鎖構造に差があか否かを、等電点電気泳動法で分析している。TSH活性のhCGは酸性域の分画が多いとの結果を得た。今後症例数を増やすことを行うべく、次年度は予定している。
|