2000 Fiscal Year Annual Research Report
「中世初期におけるesse哲学の成立と展開-ウィクトリヌスからエリウゲナまで-」
Project/Area Number |
12610002
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
今 義博 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (30115315)
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Keywords | esse / essentia / マリウス・ウィクトリーヌス / アウグスティヌス / エリウゲナ / 偽ディオニシオス・アレオパギテス / マクシモス / 存在 |
Research Abstract |
本研究の遂行のため、新プラトン主義哲学、マリウス・..、アウグスティヌス、偽ディオニュシオス・アレオパギテス、マクシモスなど関係文献を収集するとともに、パソコンなど文書処理機器を備えて、文献表(データベース化)を作成し、またそれら文の読解と重要事項のデータベース化作業を行った。 中世哲学がギリシャ古代哲学と基本的に異なってesseを最も根本的な概念とする哲学として登場するのはマリウス・ウィクトリヌスからと思われるので、まずウィクトリヌスに関しては著作『マリウス・ウィクトリヌスのカンディドゥス宛書簡』の分析を行った。 そのほか、アウグスティヌスについては『告白』と『三位一体論』を中心に、エリウゲナについては『ペリピュセオン』、『ヨハネ福音書序文講話』を中心に、偽ディオニュシオスについては『神名論』と『天上位階論』を中心に、マクシモスについては『アンビグア』を中心にesseとessentiaの概念の考察をした。 以上の研究成果は「『マリウス・ウィクトリヌスのカンディドゥス宛書簡』の研究-序論・和訳・註解-」(『ネオプラトニカII新プラトン主義の原型と水脈』pp.185-212所収)、「ギリシア哲学の存在論とラテン中世-エリウゲナにおけるessentia-」(『カルキディウスとその時代』pp.77-98所収)および山梨大学教育人間科学部紀要(第2巻2号、第3巻1号)に発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 今義博: "証聖者マクシモスとエリウゲナにおける相互範型性"山梨大学教育人間科学部紀要. 第2卷2号. 273-281 (2000)
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[Publications] 今義博: "テオファニア概念の形成-エリウゲナにおけるマクシモスとアウグスティヌスの典拠"山梨大学教育人間科学部紀要. 第3卷1号. 103-112 (2001)
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[Publications] 今義博 他12名: "ネオプラトニカII新プラトレ主義の原型と水脈"昭和堂. 327+42 (2000)
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[Publications] 今義博 他5名: "カルキディウスとその時代"慶応義塾大学言語文化研究所. 244 (2001)