2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610018
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Research Institution | Koyasan University |
Principal Investigator |
岸田 知子 高野山大学, 文学部, 教授 (20093403)
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Keywords | 山片蟠桃 / 懐徳堂 / 中井履軒 / 大坂の漢学 |
Research Abstract |
山片蟠桃は、その著『夢ノ代』の冒頭で、自説はすべて中井竹山・中井履軒両先生から教えられたことだと述べている。従って、蟠桃の思想の独創性の解明には、『夢ノ代』の論述のどこまでが竹山・履軒の学説の継承であるかを調べなくてはならない。そのためには竹山・履軒の著作との突き合わせが必要であるが、竹山の著作は蟠桃の論及分野との重なりが少なく、履軒の「聞書」類が大きな手がかりになると予想される。 今回の研究の第一歩として、中井履軒の著作の調査を始めたのであるが、完全な履軒の著作目録はいまだに作られていない。『中井竹山・中井履軒』(日本の思想家・明徳出版社)巻末に履軒著述目録(井上明大著)があるが、これにも遺漏があることがわかった。今年度は国立国会図書館所蔵の履軒の書の写本を調査し、井上目録にない写本を発見したが、まだ調査途上にある。 一方、1999年に論文「懐徳堂知識人の老荘観」の中で履軒および蟠桃の老荘観を述べたが、今年度は蟠桃の仏教観について『夢ノ代』異端篇を中心に論究し、「山片蟠桃の排仏論」としてまとめた。数カ所に竹山や履軒、また五井蘭洲の言説の引用があり、彼等の影響下にあることは明らかではあるが、さらなる考証が必要である。入手した履軒の著作との突き合わせを続けて行う予定である。 また、近世大坂の漢学の状況を全般的に把握するため、懐徳堂を中心にした学術状況をまとめてみた。
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Research Products
(2 results)