2000 Fiscal Year Annual Research Report
『翻訳名義大集』における梵・蔵・蒙・漢語仏教語彙の基礎的研究
Project/Area Number |
12610026
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
福田 洋一 (財団法人)東洋文庫, 研究部, 研究員 (00181280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石濱 裕美子 早稲田大学, 教育学部, 専任講師 (30221758)
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Keywords | 仏典 / チベット語 / サンスクリット語 / 仏典翻訳 |
Research Abstract |
本研究課題は、古代チベット王国で編纂されたサンスクリット語・チベット語対照の仏教語彙集『翻訳名義大集』を特にチベットに残された各種版本を比較校訂し、文献学的研究の基礎を固めることを目指している。平成12年度は、仏典語彙研究の最近の成果の資料を収集した他、特に従来校訂の不十分であったサンスクリット語語彙に関して、各種版本のテキスト入力を進めた。その他に校訂に際して必要と思われる資料を収集し、従来用いられていなかった梵・蔵対照の単行版本がペテルスプルク図書館にあるのを見いだした。具体的な研究は平成13年度に行う。また、従来用いられていた榊校訂本以外にも、いくつかの刊行テキストがあることが分かった。 このように増大した基礎資料を調査してゆく過程で、最初の計画とは異なった方針で校訂を進めることが必要であることが分かった。批判的校訂テキストを確定するよりも、必要にして十分な資料を確定した上で、実際の版本に記録された情報を、明白な誤記を除いて出来る限りそのまま再現することの方が、今後の研究の基礎資料としては有益である。そのため、平成13年度も引き続き、底本とするテキストの正確な入力と実際のテキストの表記を正確に反映させたテキストを提供することを最終的な目標としたい。 索引に関しては、チベット語とモンゴル語の対照索引を作成する予定であるが、他のものについては、データベース化して検索できるようにすることで、索引に替えることにする。そのために必要な入力および表記の規則を検討している。 平成13年度の成果としては、書誌的な調査結果をまとめると同時に、電子テキストおよびデータベースとして校訂テキストを確定する予定である。
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