2001 Fiscal Year Annual Research Report
ギリシア教父における自然・本性と人間に関する倫理学的総合研究
Project/Area Number |
12610039
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 隆一郎 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60128048)
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Keywords | 哲学 / 倫理 / 教父 / 東方・ギリシア教父 / 信 / 超越 / 受肉 / 神化 |
Research Abstract |
本研究は東方・ギリシア教父という西洋の思想史の一大源泉たる伝統にあって,盛期と後期とのそれぞれの代表者,ニュッサのグレゴリオスとマクシモス・コンフェッソルを取り上げ,諸々の自然・本性(ピュシス)および人間が,全体として,無限なる神(存在そのもの)の受容と,その全一的なかたちでの顕現に向って開かれた動的な構造を,主要著作の吟味・探求を通して明らかにしようとするものである。それは又,現代における人間と自然との共存の脅威の問題に対して,その根底に潜んでいる問題位相を捉え直し,将来への指針ともなるべきものとなることを目指している。具体的な実績としては,『東方教父における超越と自己』(創文社,2000年)にまとめられた研究をもとに,とりわけ,後期の集大成者たるマクシモス・コンフェッソル研究を遂行している。
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[Publications] 谷 隆一郎: "人とコスモロジー,証聖者マクシモスの意志論・序説"エイコーン. 24. 1-20 (2002)
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[Publications] 谷 隆一郎: "神を受容し得る者としての人間"教養の源泉をたずねて(創文社). 1-18 (2000)
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[Publications] 谷 隆一郎: "東方教父における超越と自己"創文社. 313 (2000)