2002 Fiscal Year Annual Research Report
西洋の工芸博物館の比較研究-デザイン・ミュージアムの原形・日本の博物館の史的モデルとして-
Project/Area Number |
12610054
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤田 治彦 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00173435)
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Keywords | 工芸博物館 / デザイン・ミュージアム / ウィリアム・モリス / 柳宗悦 |
Research Abstract |
イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動と日本の民芸運動との関係についての調査研究を進め、その成果を『美術フォーラム』第6号(平成14年6月30日発行)に「柳宗悦とアーツ・アンド・クラフツ」として発表した。 平成14年7月15-16日にロンドンのトインビー・ホールで日英米の研究者が参加してアーツ・アンド.クラフツ運動の国際的拡大に関する共同研究会を開催した。7月17-18日にはデヴォンのダーティントン・ホールで、50年前の1952年に開催された国際工芸家会議の記念講演会が開催され、日本の工芸についての講演を行なった。平成14年9月12-19日には、ソウルをはじめ韓国各地において柳宗悦が創設した朝鮮民族美術館関連の調査を行い、その成果を平成14年12月7日に美学会西部会第241回研究発表会で「アーツ・アンド・クラフツと工芸の変貌」として公表した。 数年前より多くの工芸史・デザイン史研究者とともに進めていた1952年開催の国際工芸家会議報告書の翻訳が終了し、『ダーティントン国際工芸家会議報告書』として平成15年3月末に出版される。同書に日本語版監修者として執筆した記事「ダーティントン・ホールと1952年国際工芸家会議」では、西洋の工芸運動と日本の民芸運動に関する比較考察を行なっており、それも本研究の成果の一部である。 現在のヴィクトリア・アンド・アルバート美術館である、旧サウス・ケンジントン博物館における19世紀の展覧会活動、同館と西洋各地の工芸博物館との比較、デザイン・ミュージアムとの歴史的関係等についての研究成果をまとめた科学研究費補助金研究成果報告書は平成15年5月までにまとめられる。
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