2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610061
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Research Institution | KYOTO SEIKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
島本 浣 京都精華大学, 芸術学部, 教授 (30154280)
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Keywords | 美術品カタログ / 競売カタログ / 展覧会カタログ / 美術館カタログ / 絵画名品集 / 作品記述 / 作品分類 |
Research Abstract |
本年度は3年間にわたる本研究の最終年にあたる。そのため、これまで史料的に多少手薄であった19世紀後半から20世紀初頭にかけての図版入りカタログを集中的に調査し、成果をあげることができた。その結果、研究課題をまとめあげるに十分な資料が整えられ、それらを分析することで全体像が明確になった。また、本研究から派生した問題をめぐって、2点の論文を発表した(1点は現在印刷中)。 以下、研究全体の概要を簡単にまとめてみる。 *美術品カタログの歴史的研究として、次の2つの観点から考察することが有効である。 1カタログの種類による分析 美術品カタログは大きく次の4つに分類し、それぞれの目的と機能によって分析し、さらに相互の形式的、内容的関連を明らかにすることで、カタログの意味機能が明らかになる。 a競売カタログ b展覧会カタログ c美術館カタログ d絵画名品集 2カタログへの年代史的視点。 18世紀から20世紀へと、カタログは時代の社会的要請に従い、主流となるカタログとその形式が存在する。それは次のようにまとめることができる。 a18世紀における競売会カタログと作品記述法の確立。 b19世紀前半における美術館カタログと作品分類の確立。 c19世紀後半以降における展覧会カタログと図版の挿入による、カタログの視覚化。 d20世紀末におけるカタログのデジタル化の課題。
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