2000 Fiscal Year Annual Research Report
三次元有効視野特性の解明:注意資源の配分効率と安全性
Project/Area Number |
12610079
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 利章 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00116104)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 一光 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (60260642)
|
Keywords | 視覚的注意 / 有効視野 / 注意資源 / 奥行き注意 / 奥行き知覚 / 安全性 / 処理効率 / 3次元空間 |
Research Abstract |
近年、ヘッドアップ・ディスプレイやカーナビゲーション等が導入されている。新技術の導入にあたっては、人間の注意特性を十分に考慮しなければならない。当研究は注意の基礎研究と応用研究の橋渡しをしようとするものである。初年度の12年度には以下の基礎的実験を行い、次年度からのよりリアルな実験研究に備えた。 そこでは、視覚的注意の遠近移動特性について、1)固視点が単一の場合と複数の場合の相違(同一実験内で試行により固視点距離を変えた)、2)中心視負荷の大小による相違、および、3)視覚的注意の時間的特性(特に事前・事後特性)を検討した。 得られた主な結果は次のとおりである。 1)予期どおりか否かによる注意の促進(Benefit)も損失(Cost)も、固視点が遠くなるほど大きくなる傾向が示された。これまでに報告されていない知見である。このことは、近くではさほど予期に依存しない注意配分が行われることを示す。安全性という観点からすると妥当性の高い結果である。 2)上記の傾向は中心視負荷が大きい場合により鮮明となった。この点も、生態学的妥当性を有するといえる。 3)模擬カーナビゲーションの使用前後の双方に、前方標的の検出率・反応時間が劣化することが示された。安全性に問題提起するとともに、視覚的注意の3次元空間内での配分方法をさらに検討すべきことをす。 4)なお、奥行き距離評価と奥行き注意の対応関係も検討した。その結果、近い固視点で予期通りに近くに標的が出現した場合に、奥行き距離評価がより正確に行われることが見いだされた。但し、結果は必ずしも整合しておらず今後のさらなる研究課題として残されている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Miura,T.& Shinohara,K.: "Das Problem der visuellen Aufmerksamkeit beim Gebrauch von Navigationssystemen in Kraftfahrzeugen ; Voher-und Nacher-Effecte."Zeitschrift fur Verkerrsscherheit. 46・4. 145-148 (2000)
-
[Publications] Miura,T.,& Shinohara,K.: "Spatial and Temporal Characteristics of Visual Attention in a Behavior Oriented Situation."電子通信情報学会、信学技報. PRMU2000-111,. 29-34. (2000)
-
[Publications] 木村貴彦,篠原一光,臼井伸之介,三浦利章: "奥行注意特性:固視点数と中心視負荷の効果"日本心理学会第64回大会発表論文集. 449 (2000)
-
[Publications] 木村貴彦,三浦利章: "注意と奥行知覚の関係-予期の側面からの検討-"日本基礎心理学会第19回大会プログラム・研究発表要旨集(研究発表優秀賞決定). 21 (2000)