2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610093
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
春木 豊 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (80063551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 平 早稲田大学, 人間科学部, 助手 (20318819)
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Keywords | 行動 / 動作 / 気分 / 呼吸 / 生理 / 身体動揺 / 協調性 / 複雑系 |
Research Abstract |
平成12年度に最初に行った実験として、屈伸呼吸法における生理学的データと気分状態の対応に関する実験を行った。これは、屈伸呼吸法における生理、心理学的なリラクセーションに関する研究である。詳細な分析は進行中である。 次に、手を左右に反復開閉する動作と気分状態に関する実験を行った。自律訓練法を用いて、心身共にリラックスした場合に、手の動作速度、動作の規則性について検討を行ったものである。これまでの我々の研究では、気分状態がポジティブな者は動作速度が遅く、動作の規則性が高くなっているという結果であった。今回の実験では、動作速度は有意に遅くなり、仮説を支持したが、規則性についてはさらなる検討を必要とするものであった。 3つ目の実験として、対人場面における身体動揺(重心動揺)と不安の関連性を検討した。この実験では、社会不安の高さと身体動揺の大きさには正の相関が見られた。また、対人不安と身体動揺の詳細な変化パターンとの関連性の検討も行った。詳細は、分析を継続中である。 最後に、日本心理学会において、「自己組織化と複雑系の心理学」というテーマでワークショップを行った。これは、動作、呼吸、生理データの時間的な変化(運動)について、複雑系研究の視点から観察する意義について検討したものである。この意義とは、人間を身体行動、生理、環境、心理などの無数の変数の相互作用から捉えると共に、こころを観察する際に、その時間的変化、および自己組織性という面に注目することで、新たな心理学観を提唱しようとしたものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 春木豊,鈴木平,安志剛: "怒りと疾病に関する健康心理学と中医学の見解及びその比較試論"ヒューマンサイエンス. 印刷中. (2001)
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[Publications] 鈴木平: "自己組織化と複雑系の心理学(ワークショップ)"日本心理学会第64回大会発表論文集. S52 (2000)
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[Publications] 春木豊,高瀬弘樹,竹内成生,陶山大輔: "屈伸呼吸法の生理・心理的効果-身体心理学の研究(50)-"日本心理学会第64回大会発表論文集. 947 (2000)