2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610107
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
服部 環 筑波大学, 心理学系, 助教授 (70198761)
|
Keywords | 項目反応理論 / 部分採点モデル / 等化法 |
Research Abstract |
一般化部分採点モデルの下位モデルとして部分採点モデルがある。本研究はこのテストモデルが教育・心理テストの開発に有効であると考え、一般化部分採点モデルに適用できる等化法の開発を行った。提案した等化法は(1)最小カイ自乗法、(2)カテゴリ特性関数法、(3)真の得点法に基づく等化法である。本年度は、これらの等化法に基づいて等化係数を推定するためのFORTRANプログラムを開発した。 提案した等化法の特徴や利点を数理的に知ることは困難であるため、人工データを用いたシミュレーション実験が必要になる。そこで、本年度は以下の実験を行った。 (1)水平等化1 20項目のテスト(便宜的にT1とT2とする;項目はすべて4カテゴリ)を母集団分布が等しい被験者群(S1とS2;各500名)へ実施して、S2で得られたT2の推定値をS1で得られたT1の推定値へ等化した。 (2)垂直等化1 S1とS2に対して能力値分布の異なる母集団を想定して、母数を等化した。 (3)水平等化2 T1とT2にそれぞれ独自の項目が20項目あり、共通項目が10項目あるものとして、等化した。 (4)垂直等化2 能力値分布の異なる母集団を想定したが、他の条件は水平等化2と同一とした。 等化とは別に、項目の推定精度が問題となるので、シミュレーション結果から等化法の優劣を断定することは難しいが、提案した等化法の間には大きな相違はないと考えられた。さらに種々の等化条件を設定して、等化法の特徴を検討することが今後の課題である。
|