2000 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児のための神経心理学的検査の開発と発達援助に関する研究
Project/Area Number |
12610109
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小林 久男 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50004122)
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Keywords | 覚醒・注意 / 同時処理 / 継次処理 / 神経心理学的検査 / プランニング / 発達障害児 / 持続的注意 / 選択的注意 |
Research Abstract |
研究全体の目的は、(1)覚醒・注意、(2)同時処理・継次処理、(3)プランニングの3つのシステムの認知機能を診断する包括的な神経心理学的検査の開発と、その発達障害児における有効性の検討である。本研究では、これまでの研究で検討課題となっている、(1)覚醒・注意システムの検査バッテリーの開発と、(2)これまでに作成した神経心理学的検査についてさらに発達障害児の数を増やして検討することを目的とした。 1.覚醒・注意システム検査バッテリーの開発 本研究では、次のような5種類の検査を新たに作成した。 (1)聴覚性持続的注意検査(学童用):カセットテープに3分間、ピアノのドレミファソラシドの8種類の音について同じ音を1〜5回の範囲でランダムに録音し、標的を5回連続の同じ音とする。 (2)聴覚性持続的注意検査(幼児用):(1)と同様であるが、3種類の音を用い、標的を3回連続の同じ音とする。 (3)視覚性持続的注意検査(学童用):「かなひろい検査」2種類、「文字及び数字の抹消検査」及び「Trail Making(線引き)検査」(数字と文字の混合)。 (4)視覚性持続的注意検査(幼児用):Trail Making(線引き)検査(数字のみ)。 (5)表出性選択的注意検査(幼児用):幼児用の表出性選択的注意検査として新たに「動物の絵ストループ」検査を作成した。 上記の5種類の検査について、今後、4〜6歳の幼児各10名程度、小学2〜6年生各10名程度を対象に実施する予定である。 2.これまでに作成した神経心理学的検査について新たに、注意欠陥多動性障害児7名、自閉症児1名、知的障害児1名に対して行い、神経心理学的評価を行った。
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