2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610133
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉良 安之 九州大学, アドミッションセンター, 助教授 (30195408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 義弘 福岡国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (60175891)
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Keywords | 民間巫者 / カウンセリング効果 / 沖縄地域 / 宗教的面接 |
Research Abstract |
研究初年度であり、吉良と安達による研究会議にもとづいて、両名はそれぞれ沖縄地域での現地調査を進めてきた。安達は沖縄地域に出向いて複数の巫者と継続した接触を持ち、調査の準備を進めた。吉良は、沖縄在住の臨床心理学研究者である井村修氏(琉球大学法文学部教授)および古川卓氏(琉球大学保健管理センター講師)に面会して調査への協力を依頼し、同意を得た。さらに、沖縄県立図書館、沖縄県立博物館、国立民族学博物館等での文献・資料の検索と収集を行った。 予備調査については、以下の2つの成果があった。(1)巫者の宗教的面接場面に同席して参与観察と聞き取り調査を行った。面接場面のビデオ録画・録音については残念ながら巫者の了解が得られず、実施できなかったが、聞き取り調査としては大変貴重な資料を得ることができた。(2)井村修教授の全面的な協力をいただいて、琉球大学の学生200名程度を対象にした予備的質問紙調査を実施することができた。これは巫者についての認知度、巫者への態度と評価、宗教的面接の利用度などを予備的に調べる目的で行ったものである。次年度は、得られたデータを分析するとともに、それにもとづいてより完成度の高い質問紙を作成して実施する予定である。調査対象者としては、琉球大学生、沖縄地域の他の大学の学生に加えて、沖縄地域在住の中年層に拡大していくことをねらって準備を進めている。これは、従来の研究から、巫者との接触は中年期以降に急速に増大することが確認されているからである。
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