2000 Fiscal Year Annual Research Report
集団の的確で創造的な問題解決を促進するチームワークの研究
Project/Area Number |
12610134
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 裕幸 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (50243449)
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Keywords | チームワーク / 問題解決 / 創造性 / 集団意思決定 / リーダーシップ / コミュニケーション / チーム・エンパワーメント / セルフ・マネジング・チーム |
Research Abstract |
本研究は、集団による的確で創造的な問題解決を導く優れたチームワークが備えている諸特性と機能について、社会心理学的視点から明らかにすることを目的としている。初年度となる本年は、企業組織の現場に実証的検討の場を求め、優秀な業績をあげ続けているチームと、業績が伸び悩んで苦戦しているチームのそれぞれについて、チーム・コミュニケーションやリーダシップなど、チームワークの重要な要素にかかわる実態を解明し、比較検討して、効果的なチームワークの特性究明を試みた。 具体的には、まず、第一段階として、チーム・メンバーへの質問紙調査およびインタビュー調査を行って、仕事の中でチームワークとみなしていることがらや自らの行動について、現場の当事者がどのように認識しているのか把握した。次に、第二段階として、各チームの活動状況の観察と、社内情報交換システムに蓄積されたチーム・コミュニケーションの記録の内容分析を行った。チーム・コミュニケーションの内容分析を通して、業績不振のチームと対比させながら、業績優秀チームに見られるチームワークの特性について明らかにすることに取り組んだ。この内容分析はの作業は、社内情報交換システムのサーバー・コンピュータに1995年から記録されたすべてのログを対象にして行う膨大なものであり、引き続き来年度にも継続し、さらに意味のある知見を見いだす取り組みを続ける。 なお、理論的枠組みの精緻化をはかるために、セルフ・マネジング・チーム研究の権威である南カリフォルニア大学のS.G.Cohen教授の協力を仰ぎながら研究デザインのリビュー行っている。得られた研究成果のは、2000年8月の産業・組織心理学会、9月の日本グループ・ダイナミックス学会、11月の日本心理学会および日本社会心理学会において発表した。また、論文にまとめているところであり、近く投稿するところまできている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山口裕幸: "電子コミュニケーション・システムの導入が組織の創造的情報処理過程に与える影響"電気通信普及財団研究調査報告書. 15(CD-ROMによる刊行). (2000)
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[Publications] 外島裕,田中堅一郎,山口裕幸,小林裕,金井篤子,井出亘 他: "産業・組織心理学エッセンシャルズ"ナカニシヤ出版. 287 (2000)
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[Publications] 山岸俊男(編著),山口裕幸,佐藤達哉,結城昌樹,大淵健一 他: "社会心理学キーワード"有斐閣. 242 (2001)
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[Publications] 山口裕幸(編著),遠藤利彦,唐沢稔,西田公昭,中村奈良江 他: "心理学リーディングス"ナカニシヤ出版. 241 (2001)