2001 Fiscal Year Annual Research Report
割合概念におけるインフォーマルな知識と認知的障害の分析
Project/Area Number |
12610135
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉田 甫 立命館大学, 文学部, 教授 (80094085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 和広 九州保健福祉大学, 保健学部, 教授 (10170094)
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Keywords | 問題解決 / 誤り方略 / 概念理解 |
Research Abstract |
本年度の研究では、割合のどのような側面が認知的なハードルになっているかを分析した。そのため、割合の学習が終わった5年生と6年生合計286名を対象に、以下の2つの研究をおこなった。まず、使用した問題は、割合の3用法に関ずる問題だが、たんなる問題解決ではなく、答の量を大まかに概算し、次に適切な式を選択させるという2ステップの問題解決をおこなわせた。その結果、答の大きさの判断の家庭については、第1と2用法の正答率は、74%と81%とかなり良好でみったが、第3用法は55%とやや低下していた。ところが、式の選択になると、第1は39%、第21は41%、第3は26%と、判断に比べると激減していた。また、どのような式が語って選択されたかを分析すると、第1用法ではわり算が圧倒的に多く、第2用法でもわり算が選択されでいた。しかし、第3用法ではかけ算がもっとも主要な誤った選択であった。第1用法に法におけるわり算は、大きい数÷小さい数という既有知識からの選択と思われる。一方、第2と3用法における誤った式の選については、割合の要素の同定と大きく関連していることが考察された。つまり、第2と第3用法では、比べる量と元にする量とを混同する誤りが2-4割存在し、このために先述した誤った式め選択がなされたものと考察された。第2の研究では、こうした結果をふまえて、介入するためのプログラムのデザインをおこなっている。本研究でベースとした結果は、(1)割合の大きさの概算は、かなり良好である、(2)意味構造としての部分-全体の構造をもつ問題への理解度はかなり高い、(3)第2用法の理解がもっともよく、ついで第1用法が高く、第3用法がもっとも難しいといった結果である。
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