2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610136
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
佐藤 正二 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (30107205)
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Keywords | 集団社会的スキル訓練 / 引っ込み思案行動 / 社会的働きかけ / モデリング / 行動リハーサル / フィードバック / 社会的強化 |
Research Abstract |
本研究は、小学3年生の学級全員を対象とした集団社会的スキル訓練と引っ込み思案傾向の高い児童への個別の社会的スキル訓練を併用した訓練プログラムを作成し、その訓練効果を検討した。引っ込み思案傾向が高い児童が在籍する学級を1つの単位として実施された集団社会的スキル訓練は、これまでにわれわれが開発した集団社会的スキル訓練プログラムに基づいており(佐藤・佐藤・岡安・立元、1999)、6セッションにわたって実施された。本研究では引っ込み思案行動の低減を意図していたために、社会的スキルの意義や大切さ、社会的働きかけ方、やり取りの仕方、共感の仕方など、引っ込み思案児に不足している社会的スキルを標的スキルとして選択した。集団社会的スキル訓練は、教示、問題場面の提示、モデリング、行動リハーサル、修正フィードバック、社会的強化から構成された。 また集団社会的スキル訓練と平行して引っ込み思案児2名に対して個別の社会的スキル訓練が3セッションにわたって行われた。個別の社会的スキル訓練の訓練要素は基本的には集団社会的スキル訓練と同じであった。 これらの訓練の結果、学級全体でみた場合、児童の社会的スキル領域のうち「協調性スキル」が訓練後に有意に得点の増加を示し、併せて「引っ込み思案行動」の得点が訓練後に有意に減少していた。また個別指導の対象となった2名の引っ込み思案児には、社会的スキルの顕著な促進はなかったが、二人とも訓練後に引っ込み思案行動の低減を示した。
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