2001 Fiscal Year Annual Research Report
TherapyにおけるTherapist-Client関係に関する研究-Therapeutic Discourse Analysisの視点からの検討
Project/Area Number |
12610140
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Research Institution | Yamanashi College of Nursing |
Principal Investigator |
文珠 紀久野 山梨県立看護大学, 看護学部, 教授 (70191070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷崎 和代 鹿児島純心女子大学, 国際言語学部, 助教授 (30269154)
中島 祥子 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (80223147)
安東 清 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (20151201)
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Keywords | Therapy / カウンセリング / Therapeutic Discourse Analysis / 談話分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、Therapy状況におけるTherapist-client間の言語・非言語行動を分析し、Therapyの特徴を明確化する事である。Therapy経験の程度に従って、素人、初学者、経験者の3人のTherapistと、clientとして女子大学生を対象として、実験的Therapy状況を設定し、約30分の面接を実施した。面接状況はVTR録画と音声録音を行い、トランスクリプトされた言語資料を基に分析を行った。 Therapyにおいて、Therapistはclientに語らせることを主とし、そのためにTherapistによるclientへのturnの割り当てと、Therapistの支持によるclientのturn維持が見いだされた。 面接が開始されたときのTherapistの言語・非言語行動においては、経験のあるTherapistはclientが話し出すのを待ち、clientが話し出すとあいずちとうなずきを挟んでいる。初学者のTherapistの場合では、若干clientの発言を待ってはいるが、Therapistからの質問で誘導していくことが特徴的であった。素人の場合は、日常の会話と非常に類似した言語行動がみられ、turnの主導権はTherapistが握っていることが見いだされた。 初学者やこれからTherapyあるいはカウンセリングを学習しようとする人の抱いているカウンセリング・イメージがそういった行動を引き起こしているのではないかという観点から、初学者のカウンセリング・イメージを分析した。初学者は「カウンセリング=相談」とみなし、なんらかの問題解決を図る行為であると考えていることが示唆された。
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