2001 Fiscal Year Annual Research Report
集合住宅居住者を対象とした犯罪被害及び犯罪不安に関与する要因の環境心理学的研究-近隣地域、場所、住居構造要因の相互作用の検討-
Project/Area Number |
12610156
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Research Institution | College of Nagoya Bunri University |
Principal Investigator |
小俣 謙二 名古屋文理短期大学, 生活科学科, 教授 (60185668)
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Keywords | 犯罪 / 犯罪不安 / 集合住宅 / 環境心理学的研究 |
Research Abstract |
本研究は犯罪行為を一連の選択と決定の過程と考え、それぞれの段階で選択と決定に関与する地域環境要因は異なると仮定した。そして、犯罪と環境要因の関係を明らかにし、犯罪抑止や犯罪不安の低減を可能にする地域のあり方を明らかにするためには各段階ごとの分析が必要であると考え、犯罪行為の遂行過程において選択と決定が行われるそれぞれの段階に対応する地域水準毎に、犯罪発生や住民の犯罪への不安に関与する地域環境要因及び住居構造要因を明らかにすることを目的とした。 昨年度は調査の準備段階として調査対象地域の選定と先行研究で用いられてきた質問項目の再検討、及び先行研究のreviewをおこなった。今年度はそれらをもとに、調査票を作成し、実際に調査をおこなった。 調査対象として、名古屋市内の4区8地域にある高層住宅を各地域でランダムに抽出し、各住棟で最低名以上の居住者を選択した。結果的に調査対象者は1200名となった。なお、調査対象者は全て30歳代から50歳代までの成人女性である。調査票の項目は以下の通りである。犯罪被害の発生状況と犯罪不安に関する項目。住宅の特性に関する項目。防犯設備など防犯関連の項目。地域の評価に関する項目。回答者の属性に関する項目。回答者の社会的交流に関する項目。調査方法は郵送法によった。調査票の配布に先立ち、調査の意義などを明記した協力依頼の葉書を郵送し、2週間後に調査票を郵送した。回答期間は2週間程度とした。調査票の配布は平成13年4月から5月にかけておこなった。 現在、その結果を分析中である。なお、本データの一部を用いて高層住宅の物理的構造特徴と犯罪の発生および犯罪不安との関係を分析し、第39回日本犯罪心理学会で発表した。現在分析中の結果についても平成14年度の犯罪心理学会で発表する予定である。
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