2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610158
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Research Institution | Heian Jogakuin(St.Agnes')University |
Principal Investigator |
塘 利枝子 平安女学院大学, 現代文化学部, 助教授 (00300335)
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Keywords | 教科書 / 発達観 / 教師像 / 性役割 / 対人関係 / アジア / 社会化 / 異文化間比較 |
Research Abstract |
1.学会発表 Asian Association of Social Psychology Annual Conference(オーストラリアメルボル市,2001)において、"Cross-Cultural Comparison of Asian School Textbooks Using Content Analysis : How parents pass on sex roles in child-rearing behaviors to their children"と題して発表し、日本、台湾、中国そしてタイの教科書に描かれた親の育児行動に関する性役割と次世代に対する性役割の伝達の仕方について、アジア地域における文化間比較を行った。また日本教育心理学会第43回総会(名古屋市,2001)において、「子どもに期待された教師との関係:日本、中国、韓国の国語教科書に描かれた教師像の異文化間比較」と題して、この3カ国の教科書に描かれた教師と子どもの関係を比較し、東アジアの教師像について分析をした。さらに日本心理学会第64回総会(つくば市,2001)において、「日本・中国・タイ・韓国の教科書に描かれた家族」と題して、この4カ国の家族の構成人数、父母、男児、女児の出現率、祖父母の同居率について比較を行い、アジア諸国に期待される家族構成について分析した。 2.アジアにおける多様な文化の存在 多くの国際比較研究では、欧米とアジアの国々とを比較することが多く、その際に認められた行動の差異は、欧米とアジアとの「文化」の違いであると説明されてきたが、本課題では特にアジア地域に焦点を当て、アジアで使用されている教科書に投影された文化を比較することにより、その多様性を明らかにしてきた。その結果、アジアでも家族関係、育児における性役割、親役割、子どもに期待する対人関係、教師と子どもの関係において多様な違いが見られることが明らかとなった。 3.文化システムと人間の行動との関係 教科書に描き出された人間の行動は、各国の社会・経済的な要因や歴史的な要因と関連している。現在歴史的な観点から分析をしており、今後さらに詳しく検討していく予定である。 4.本課題に関する今後の発表予定と研究方向 本課題は研究の2年目に当たり、本年は分析されたデータを考察し、各国の研究協力者と話し合いをし、更に深い分析を試みることが主目的であった。今後は(1)各国の1960年の教科書と2000年の教科書の内容を比較すること、(2)文化システムとの関係を文化間のみならず、時代間で見ていくこと。(3)現実の子どもと教科書に描かれた子どもの行動との関係を探ること、などについて検討する予定である。
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Research Products
(1 results)