2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610162
|
Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
飯田 裕康 財団法人 労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (70072650)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 徹 財団法人 労働科学研究所, 研究部, 研究員 (50332218)
伊藤 昭好 財団法人 労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (30151492)
菅沼 崇 財団法人 労働科学研究所, 研究部, 研究員 (60311271)
|
Keywords | 医療事故 / 総合病院 / 情報処理システム / 看護労働 |
Research Abstract |
民間の大規模総合病(院病床数:1,150、床診療科目:19、外来患者数:3,000人/日、入院患者数:1,100人/日、職員数:1,800人、いずれも概数)を対象に、その組織形態・管理方式・計算機システム等、、病院内の情報の流れを中心に資料を収集分析した。 臨床医療現場における事故防止については、対象がそれぞれ個性をもった人間であり、医師・看護婦をはじめ個々人の資質や努力に負うところが圧倒的に多く、非常に複雑多様である。装置産業のように、「人は誰でもエラーを起こす」を前提に人間を自動化で置き換えることも、医療現場に関しては不可能に近い。また、規格の統一と標準化をもとにし、効率化と信頼性の向上を目指す手法の適用にも限界がある。さらに、実際の業務遂行に関しては、医師や看護婦の技能に依存する面が強く、学校教育における知識偏重・実習過程の問題まで関連し、病院内で解決できる範囲を超える部分も多い。法的規制、保健医療あり方など社会のシステム全体が、病院での医療事故防止を支援していかなければない背景状況が見いだされた。 当該病院では、約30年前から計算機システムの導入が開始され、独自のシステム開発が行われ多くのサブシステム(薬品オーダなど)が稼働している。現在、その主要なサブシステムについて、その構造・機能等の記述が終了した。病院全体の情報システムとしての連携性の検討あるいは看護業務の遂行過程との整合性などの検討が今後の課題である。
|