2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610162
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
飯田 裕康 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (70072650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 徹 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員 (50332218)
伊藤 昭好 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (30151492)
菅沼 崇 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員 (60311271)
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Keywords | 医療事故 / 総合病院 / 情報処理システム / 看護労働 |
Research Abstract |
民間総合病院(25診療科、病床数約1100床、総職員数約1800名)を対象に、病院内の情報処理システムの記述を行った。電算機システムとしては、病院管理・医事業務・病歴管理・給食管理・臨床検査・放射線管理・薬品管理・研究開発・病棟業務・保健センター等、部門別に数多くのサブシステムが稼働している。さらに各種のオーダリングシステムとして、入退院・食事・処方・病名・検体検査・物品・患者検査オーダ等の関連システム、および看護情報を扱う看護システムが稼働中である。さらに、注射オーダ・手術オーダ等の開発が進められている。これら数多くのサブシステムは、主として病院内の事務処理を中心としたシステムであるが、複雑な相互関連のあるシステムであり、長年にわたる病院独自の自主開発による成果が集積されている。病院の独自開発能力にも限界があり、この様な病院内情報処理システムの総合的な研究開発は今後の大きな課題である。 一方、医療安全に直接かかわる医師・看護・患者間の診断・治療行為に関する情報処理(医師の指示から看護職員による各種処置の実施)に関してはシステム化が相対的に遅れている。情報処理の電算機化に関しては、医師による直接情報入力の部分が徹底できないことも大きな障害の一つに挙げられるが、医療過程の複雑さが根本の原因となっている。一般の産業場面では、製造過程等の標準化が先ず進められた上で効率化が図られるが、医療システムに置いてはこの標準化がどこまで実行可能かが、大きな課題となっている。これらの標準化の問題は、薬品類の形状・表示、医療機器類の操作方法をはじめ、医療過程の標準化までを含む広範囲に及んでいる。病棟における看護業務の作業分析によると、医師の指示(手書きの指示書)と、各種帳票類(処方箋、注射伝票など)や処置経過や患者の状態の整合性の照合・総合判断業務が看護業務を圧迫しているの現状である。
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