2000 Fiscal Year Annual Research Report
子どものパーソナリティと不適応行動の発達に関する行動遺伝学的研究
Project/Area Number |
12610164
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
菅原 ますみ 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・社会精神保健部・家族・地域研究室, 室長 (20211302)
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Keywords | 人間行動遺伝学 / パーソナリティの発達 / 子どもの問題行動 / 双生児法 |
Research Abstract |
本研究は、子どものパーソナリティの発達や不適応行動の出現に関して遺伝的要因と環境要因の両者がどのようなメカニズムで影響するかを、双生児を対象とした短期縦断的方法で明らかにすることを目的としている。初年度である平成12年度には、平成10年度にすでに1回目の質問紙調査を実施した双生児のサンプル(0歳〜15歳の一卵性および二卵性の双生児約2300組)についての解析と、2年後の追跡調査を企画・準備した。子どものパーソナリティや問題行動および様々な発達関連変数について人間行動遺伝学的解析手法により分析をおこない、乳児期から思春期までの各発達段階について遺伝的要因と環境要因の相対的貢献度についての知見を得た。パーソナリティに関連する変数(子どもの気質的および性格的傾向に関する神経生理学的理論に基づいたCloningerらのTemperament and Character Inventory:TCIのジュニア版、幼児版、乳児版を用いて測定を実施した)は、成人のパーソナリティに関する先行研究と同様な結果が得られ、子ども期においても遺伝的要因と非共有環境要因(個別の体験要因)で説明され得ることが明らかになった。一方、問題行動傾向に関してはこれらに加えて共有環境要因も影響力があることを見出した。成果については、平成12年度の日本心理学会(平成12年11月8日、京都大学)および双生児研究学会(平成13年1月22日、慶応義塾大学)にて発表をおこなった。
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