2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610165
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
宇田川 拓雄 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 教授 (30142764)
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Keywords | 社会学教育 / 高等教育 / 社会学会 / アメリカ社会学会 / 1980年代 / 制度化 / インタビュー |
Research Abstract |
1 アメリカ社会学におけるにティーチングの実態に関して文献研究を行った。 2 200年11月〜12月にアメリカに出張し、 (1)ボストン大学などで、社会学の授業の実際を見学し、教員にインタービューを行い、社会学教育に関する文献調査を行った。 (2)Hans Maukshの以前の同僚たち(3人)にインタビューを行った。 (3)アメリカ社会学会本部(ワシントン)で文献調査を行い、Teaching Resourace Center及びTeaching Sectionの担当者に面会し、インタビューを行った。 3 明らかになったこと アメリカ社会学会がティーチングに対して注目し、それを支援する仕組みを制度化するようになったのは、大変良いタイミングでMaukshらのグループが活動を開始したからである。 「10年早くても、1O年遅くても、この試みは成功しなかったであろう」(ドイッチャー教授の言葉) 当時、アメリカは経済的な退行期にあり、学界ではパーソンズらに代表されるグランドセオリーの正統性が薄らいできていた。社会学会の会員数が減少し始め、社会学を受講する学生の数が減り始めていた。これは大学進学率が増加していたにもかかわらず、従来型の社会学が人気を失いつつある兆候であった。全国的には研究資金が少数の著名な研究大学に集まり、他の大学では研究費が不足し始めていった。 このような状況で、総合大学以外の大学では学生に、きちんとした教育を行いたいと考える社会学者たちがあらわれた。社会学者の中に、教育も社会学の重要な使命である、という信念が広がり、ティーチング運動は学会の中で市民権を得ることができた。
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