2003 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市における育児支援ニーズの特徴とその対応の具体的展開に関する研究
Project/Area Number |
12610166
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹村 祥子 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (20203929)
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Keywords | 育児支援 / 地方都市 / 母子保健活動 / 子育て支援 / 地域社会計画 / 保育 |
Research Abstract |
平成15年度の研究実施計画では、これまでの3年間に行ってきた調査結果のとりまとめと補充調査を計画していた。 とりまとめについては、本研究の中心的課題であった「大都市圏に入らない県庁所在地自治体の育児助成にかかわる施策、子育て、育児支援政策が、自治体のどの部局でどのようなものとして計画されているか」について再検討をした。すると国の方針としては推進の方向が強くうちだされている子育て支援も、出生数が年々減少傾向にあるような自治体では、実質的には、施策の中心的課題にはなっておらず、予算もあまり割かれるわけではないことがわかってきた。県庁所在地自治体を一律にみて育児支援に重点を置いた自治体も、そうでない自治体も同じ基準で評価したところで、各都市独自の子育て支援がどのようなものかは明らかにならないと考えるにいたり、この点はさら評価基準についても検討しなおすこととした。また社会福祉協議会やNPO団体が独自のとり組みをしているところもあり、自治体の事業を知るだけでは、その地域全体のとり組みを明らかにはできないこともわかってきた。 次に岩手県の県庁所在市である盛岡市の保健センター事業「育児学級」受講者や周辺自治体の「育児支援事業」参加者から盛岡市及び周辺町の事業への参加経緯や育児支援ニーズについて面接調査した結果を再検討した。「育児学級」に参加した母親の第一のニーズは「育児に関する専門知識をうること」であったが、それと同時に自分の子どもと同年齢(月齢)の子どもがどのように育っているか、または、育てられているかを知る機会として「育児学級」捉えていることが明らかになった。「場の提供」も支援事業には重要な要素であることがわかった。 以上の検討結果をふまえ、現在は「地方都市の自治体が育児支援をする場合、どの範囲で行うことが市民によって要求されているのか」という問いを携えつつ報告書作成に邁進している。
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