2001 Fiscal Year Annual Research Report
メディアがもたらす女性の意識変化と家族関係への影響 戦後女性雑誌の送り手・受け手分析
Project/Area Number |
12610169
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
坂本 佳鶴恵 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (60201521)
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Keywords | 女性雑誌 / メディア / ジェンダー / 女子大学生 |
Research Abstract |
本年は、読者に対するアンケート調査を実施した。調査は、女子大学4校を含む11の大学の女子学生1086人の協力をえておこなわれた。有効回答は1009であった。年齢は17〜47才(98%が24才以下)、学年は1〜4年生(1〜2年生が81%)である。その結果、女性雑誌は女子学生の生活に思った以上に関わっていること、消費文化と女性雑誌が深く結びついていることが明らかとなった。まず、ほとんどの学生が女性雑誌を読んでいることがわかった(ほとんどみないは、6.5%)。過半数が4雑誌以上を読んでおり、女性雑誌の影響力は思った以上に大きい。また読まれている雑誌は偏っている。読んでいる理由は、ファッションを参考にするため(75.8%)、洋服や化粧品・小物などの商品情報をうるため(56.8%)、何が流行しているかわかるから(44.9%)、暇つぶし(38.0%)である。買い物、食事など雑誌にのっている店や施設を、ときどき利用したことがある人(36.4%)、1〜2回はある人(32.1%)と、雑誌は、商品購入や飲食の際の情報源としてよく利用されている。雑誌は商品の購買を促す作用も強い。雑誌をみると、つい雑誌にのっているものを買いたくなることがよくある(27.2%)、ときどきある(44.9%)と、大きな影響を受ける。逆に買いたいものがあるときは、参考になりそうな雑誌をチェックするという設問では、「よくある」が26.8%、「ときどきある」が39.6%と、これもなかなり多い。雑誌は、商品選択の重要な媒介となっていることが明確となった。また、とおりすがりの女性をみて、どんな雑誌を読んでいるか想像できることがよくある19.9%、ときどきある41.5%と、多くの人が雑誌を人の外見や好みと結びつけて考えている。このようなアイデンテイテイとの関わりも、次年度に向けて分析を進めたい。
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Research Products
(1 results)