2002 Fiscal Year Annual Research Report
メディアがもたらす女性の意識変化の研究―戦後女性雑誌の送り手・受け手分析
Project/Area Number |
12610169
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
坂本 佳鶴恵 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (60201521)
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Keywords | ジェンダー / メディア / 女性雑誌 / 若者 / 文化 |
Research Abstract |
今年度は、おもに、雑誌記事の内容分析、雑誌読者に関する歴史統計データの分析をおこなった。また、これまでの研究成果の一部を、7月末にバルセロナでの国際会議(23th Conference and General Assembly IAMCR, Intercultural Communication)で発表した。(発表タイトル"Between readers and sponsors : how Japanese women's magazines create girl's culture"CDROMに収録され発売予定)今年度の具体的な研究結果は、以下のとおりである。雑誌読者の統計分析によって、各年齢層に人気のある雑誌の特徴の変化をおうと、年齢層ごとに以下のような変化がみられた。 十代前半:1970年以前は、少女雑誌が人気があった。1960年代より、少女漫画が継続して人気をえている。1990年より「明星」が人気をえている。十代後半:戦前は、少女雑誌か「主婦の友」を読んでいたが、戦後は、少女雑誌は読まれなくなり、1950年代以降は主婦雑誌も人気を失っていった。戦後、「平凡」と「明星」が人気を博した。1970年代以後は「セブンティーン」と「ノンノ」が人気をえた。二十代:1975年まで、主婦雑誌が人気を集めた。1975年以後「ノンノ」が人気をえた。1985年から「モア」90年から「ウイズ」が人気をえた。三十代・四十代:1981年まで主婦雑誌が人気を集めた。1960年代以降「週刊新潮」が四十代に人気を集めている。この結果より、雑誌の読者市場が次のように変化していることがわかった。1900-1970年代:十代向け雑誌/主婦向け雑誌、1970年代:十代向け雑誌/二十前後未婚女性向け雑誌/主婦向け雑誌、1980年代:十代向け雑誌/二十前後未婚女性向け雑誌/二十代後半未婚女性向け雑誌/主婦向け雑誌、1990年代:十代向け雑誌/二十前後未婚女性向け雑誌/二十代後半未婚女性向け雑誌/成年向け雑誌。また、雑誌『アンアン』と『JJ』の内容分析と編集者へのインタビューにより、1970年代後半からの、いわゆるブランドもののブームが、女性たちのどのような欲求と関係していたかが明らかになった。
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