2003 Fiscal Year Annual Research Report
メディアがもたらす女性の意識変化の研究―戦後女性雑誌の送り手・受け手分析
Project/Area Number |
12610169
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Research Institution | OCHANOMIZU UNIVWESITY |
Principal Investigator |
坂本 佳鶴恵 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (60201521)
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Keywords | ジェンダー / メディア / 出版 / 文化 / 家族 |
Research Abstract |
今年度は、科学研究費助成による最終年度のため、不十分であった箇所の情報や資料を補い、研究成果をまとめることに重点をおいて研究を進めた。8月に、カリフォルニア大学バークレー校にて、日本の、女性雑誌読者の歴史的変遷と、女性雑誌の読者、編集者、広告主との関係についての研究成果を発表し、好評を博し、また有益なコメントをえた。それを参考にしながら、対象範囲を拡大し、内外の歴史的資料を追加収集し、また、戦前の『主婦の友』を中心とした、内容項目の変化の分析をおこなった。これによって、今まで対象範囲としていなかった戦前の婦人雑誌に関する、雑誌のあり方や読者と雑誌との関係が明らかになった。また、女性雑誌を用いた研究は、従来、女性雑誌がもつジェンダー・バイアスに対する批判的立場からの研究や、女性がどのとうに変化していったかを、女性雑誌から明らかにしようとするものが多かったが、今回、今まで収集した資料を再度見直すことによって、女性雑誌の問題を、むしろ女性文化の問題としてとらえるべきであるという知見をえた(詳しい成果は、6月に提出する成果報告書を参照されたい)。ただ、今回の4年間の科学研究費助成研究では、1950年代までの女性雑誌、70年代以降の動向、日米比較などについて、成果が得られたが、まだ60年代の女性雑誌についての資料が不足しているので、今後はその点を補いつつ、研究成果を来年度を目標に本にまとめる予定である。
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