2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12610184
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
秋山 智久 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (00082438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩間 伸之 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (00285298)
山縣 文治 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (10159204)
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Keywords | 社会福祉専門職者 / 専門職性 / ヒューマンサービス / 専門職の成熟度 / 尺度作成 |
Research Abstract |
本年度は、三カ年研究の初年度であり、二年目において実施する全国調査のための調査票づくりとそのためのプレテストが主な研究課題である。今回の調査票づくりとプレテストは、ヒューマンサービスに携わっている実践者が、専門職としてどの程度成熟しているかについて評価測定できる尺度の作成を中心に研究を行った。まず、300名程度の社会福祉専門職者をはじめとする保健医療福祉専門職者に、「社会福祉専門職者とは…である。」という形の文章完成法の調査票を配布した。次にブランクに書かれた内容を、KJ法によって10個のカテゴリーに分類し、さらに専門職者の専門職性を基準として細分化させていった。プレテストの指標作成のために約200個まで絞り込み、さらにテストを行い、70個の指標を抽出し、継続研究である各専門職の確立度の質問と合わせて調査票を作成した。 大阪府下の社会福祉施設から社会福祉専門職者が従事する450施設を抽出し、調査を行った。回答数は255であり、回収率は56.6%であった。質問形式はリッカート法を用い、回答者に答えてもらう一群の質問に,好意的反応(その通りだと思う)から非好意的な反応(そうとは思わない)の5段階の回答を提示し,各段階に連続した数値ウエイトを与えて尺度化し,すべての質問に対する回答の得点総和を,その回答者の個人的な好意度とした。分析にはSPSSを使用した。調査の結果、70の質問群の内28個の尺度が信頼性・妥当性が高かった。また、継続研究である専門職者の確立度は依然とし医師・歯科医師が9点台と高く、社会福祉士・介護福祉士はそれぞれ四点台・五点台と点数は低かった。本年度の研究では、プレ調査を行うことによって信頼性・妥当性の高い尺度を作成した。本研究の成果が社会福祉に隣接している分野の専門職性を評価測定するとともに、社会福祉の専門職性を評価し、社会福祉実践が専門職として確立していくための要因を探求できたと考える。
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