2000 Fiscal Year Annual Research Report
子どものウェルビーイングを規定する諸要因に関する社会学的研究
Project/Area Number |
12610185
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
畠中 宗一 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (10141855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 孝章 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (20207707)
堀 智晴 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (50047403)
新平 鎮博 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (50171369)
岩間 伸之 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (00285298)
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Keywords | 子どものウェルビーイング / ヘルシー・ファミリー / 富裕化 / 私事化 / 依存機能の再評価 |
Research Abstract |
初年度は、子どものウェルビーイング(well-being)に関連する諸領域で、聞き取り調査を行い、次年度以降の調査研究のための基礎的知見を収集することに努めた。得られた知見は、以下の通りである。 1 子どものウェルビーイングは、単にウェルフェア(welfare)が理念型にされた時代と異なり、富裕化という文脈のなかで理解される必要がある。すなわち、富裕化によって家族機能が外部化され、それによって家族機能がより脆弱化してくる側面と、富裕化が私事化を促進させる側面の、2つの変数の関数として生起する家族問題という認識のなかで理解される必要がある。 2 子どものウェルビーイングは、「自立」と「依存」の関係を再評価することも視野に入れなければならない。すなわち、「依存」機能を肯定的に評価する視点が必要である。例えば、愛情を確認する方法としての「依存」など。 3 子どものウェルビーイングは、家族のウェルビーイングを論じることともパラレルな関係にある。いわゆる「ヘルシー・ファミリー」とは、個人化や多様化を前提に多様な家族類型を承認する生き方である。したがって、マジョリティ、マイノリティといった考え方そのものが成立しない。子どものウェルビーイングは、「ヘルシー・ファミリー」という文脈において、論じる必要がある。 4 子どものウェルビーイングは、親のそれと同等に扱われるべきである。
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