2003 Fiscal Year Annual Research Report
子どものウェルビーイングを規定する諸要因に関する社会学的研究
Project/Area Number |
12610185
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
畠中 宗一 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (10141855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 孝章 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (20207707)
堀 智晴 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (50047403)
新平 鎮博 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (50171369)
杉井 潤子 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (70280089)
岩間 伸之 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 講師 (00285298)
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Keywords | 子どものウェルビーング / ヘルシーファミリー / 富裕化 / 私事化 / 依存機能の再評価 / 家族の情緒的つながり / 居場所 / 家族の凝集性 |
Research Abstract |
本年度の研究は、平成13年度作成した「子どものウェルビーイング」尺度を従属変数として用い、児童養護施設で暮らす中学生と一般家庭で暮らす中学生、そして里親に委託されている中学生を対象に自形式ののアンケートを用いた調査研究を行なった。また本年度は、本研究の最終年度にあたることもあり、これら三つの調査対象者(児童養護施設で暮らす子どもたち、一般家庭で暮らす子どもたち、里親に委託されている子どもたち)の調査結果を踏まえ、「子どものウェルビーイング」を規定する要因について、「家族」という視点から分析を加え検討し、「子どものウェルビーイング」を実現する家族の要因について探索的な研究を行なった。 調査結果を比較、検討した項目は、調査対象となった中学生の個々人が暮らす現在の環境における基本属性、「子どものウェルビーイング」尺度得点、「家族との情緒的な関係に対する認識」得点、現在基本となる生活場面での生活状況、中学生が感じている自分の居場所などである。本研究によって、得られたサンプル数は、950であった。これら950のサンプルは、物理的かつ地理的な条件が異なるということも踏まえ、分析を加えた。 本年度の研究によって得られた知見について、簡単に記述すると、「子どものウェルビーイング」を規定する要因としては、家族または、現在の生活場面での具体的な生活状況よりも、家族または職員との情緒的な関係性といった、子ども自身が認識している心理的な要因が、大きく影響することが分かった。
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[Publications] 木村直子, 畠中宗一: "家族生活の充実と家族の情緒的関係に対する肯定的認識が中「ウェルビーイング」に及ぼす影響"家族関係学. 22号. 45-57 (2003)
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[Publications] 木村直子, 畠中宗一: "母親の就労・非就労が「子どものウェルビーイング」に及ぼす影響"現代の社会病理. 18号. 79-94 (2003)
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[Publications] 畠中 宗一: "家族支援論"世界思想社. 212 (2003)