2001 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者CBR(Community based Rehabilitation)地域モデルの形成に関する研究
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12610189
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Research Institution | Hokkaido Asai-Gakuen University |
Principal Investigator |
加藤 春樹 北海道浅井学園大学, 人間福祉学部, 助教授 (70295939)
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Keywords | CBR(Community based Rehabilitation) / ケース・マネジメント / リハビリテーション / 精神障害者 |
Research Abstract |
本邦に於いて未だ基盤整備が極めて不充分な,精神障害者地域リハビリテーション(Community-based Rehabilitation:以下CBR)を可能にする条件抽出の作業を前年に引き続き行い,地域基盤に適合するモデルの仮説的構想を得た. 2次医療圏・障害福祉圏域におけるCBRモデルは産業基盤適合性を確保することが対社会的開放の必要条件であり,この条件が満たされない場合は生活地域内に内在する資源であっても閉鎖性を免れず,当事者の社会的に開かれた回復像想定に困難が生じると看取された.特に大都市圏から隔絶し高度消費社会から疎外された郡部モデルは一定の対象規模即ち利用者の集積性を必要とし,本邦の小規模作業所レベルでは閉鎖空間になりやすく,むしろ米国のクラブハウスモデルに生活支援・自主活動支援・通所手段(移動)保障を必備し且つ臨地住民に対する開放的サービスを有することが期待された. 本研究の成果は以下で報告する予定である. International Congress of WAPR(Would Association of Psycho-social Rehabilitation),日本精神神経学会,日本精神障害者リハビリテーション学会、日本社会精神医学会 <2年目の作業進捗状況> 1.本道内資源状況ならびに利用者状況調査集計結果の解析と考察,この一部は第9回日本精神障害者リハビリテーション学会に演題として報告した.また本研究過程で遭遇した研究倫理問題について第43回日本社会福祉学会に報告し,報文を「人間福祉研究」に寄稿した. 2.モデル策定の準拠枠を得るため,法人施設を設置している地域で産業基盤の遷移が本道の状況と対比できる地域を再度検討・選択し地域調査と行政資料の追加収集を実施した (青森県弘前市並びに近郊,島根県松江市並びに斐川町,沖縄県那覇市並びに近郊,大阪府枚方市,京都府京都市) 3.愛媛県南宇和町,新潟県上越市の先駆的なネットワーク形成について追加資料を収集した, 4.2・3の作業で得られたデータを事例化し考察した. 5.以上を総合して,英米の施設モデルと,その本邦への導入状況を勘案しCBRモデルを仮説的に構想した.
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[Publications] 加藤春樹: "当事者のアドヴォカシーと研究倫理 -今日のヒューマン・サービス研究における動向的必然-"人間福祉研究. 第5号. 38-50 (2002)
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[Publications] 下坂 幸三編: "心理臨床としての家族援助"金剛出版. 258 (2001)
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[Publications] 小椋 力編: "精神障害の予防における最近の進歩"星和書店. 350 (2002)