2000 Fiscal Year Annual Research Report
公的介護保険開始に伴う在宅介護の質と構造の変容-その変化の実態比較と効果評価-
Project/Area Number |
12610224
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Research Institution | Chofu Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
馬場 純子 調布学園短期大学, 人間福祉学科, 専任講師 (70310430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 芳子 調布学園短期大学, 人間福祉学科, 助教授 (30310428)
栗木 黛子 調布学園短期大学, 人間福祉学部, 教授 (20175318)
谷口 政隆 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40155213)
上之園 佳子 調布学園短期大学, 人間福祉学科, 専任講師 (00310433)
遠藤 信子 調布学園短期大学, 人間福祉学科, 助教授 (40310429)
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Keywords | 在宅介護 / 介護の質 / 高齢者 / 効果評価 / ケアマネジメント / ケアマネジャー / 介護支援専門員 |
Research Abstract |
今年度は、調査の枠組み、評価方法、分析方法などについて検討を行い、公的介護保険制度開始前の評価のために、川崎市で実施された「在宅支援トータルサービスモデル事業」において利用者と直接関わったソーシャルワーカー(介護保険開始後は介護支援専門員=ケアマネジャーでひき続きケースに関わっている)等からのヒアリング調査と追跡可能なケースの記録の分析を行った。調査の枠組みや評価方法については、国内外の看護、保健福祉分野の介護の質の評価(効果評価)やケアマネジメントの効果評価に関する先行研究の検討を行った。調査および分析方法は、質的な手法を主とし、質的な分析方法としてグランディッド・セオリーの手法についての研究を行った。評価の枠組みは、在宅介護のサービス提供(ケアマネジメント手法による)、ケアマネジャーの役割、モニタリング、関連職種間のチーム・ケア(職種間の連携)、ケアに費やす時間とケアの内容(時間と効果)、ケアにかかる費用とケアの内容(費用と効果)などによる検証、評価とすることとした。 ヒアリング調査は継続中であるが、現時点までに判明した主なことは、介護保険以前のトータルサービスモデル事業では、個々のケースについて関連職種間でそれぞれの専門的立場からの意見交換を行い、アセスメント、ケアプランの作成、モニタリング等が行えたことは非常に有意義であったこと、利用者への訪問を頻繁に行いその上での援助となったこと、インフォーマルなケアを含めたケアの調整ができたこと、ケアマネジメント機能やケアマネジャーの役割を改めて確認し、学習できたこと等である。一方、介護保険開始後については、とりわけ新制度開始で新たにその業務についた介護支援専門員は本来の役割や機能が発揮できない場合が多いことがあげられ、介護支援専門員のスキル向上の必要性が指摘された。次年度はまず、介護支援専門員のスキルに関する調査を行う予定である。
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