2000 Fiscal Year Annual Research Report
問題行動を示す発達障害児のQOLの向上を目指す包括的な家族支援プログラムの作成
Project/Area Number |
12610252
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
藤原 義博 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (10173501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 紀子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 講師 (20320393)
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Keywords | 発達障害児 / 問題行動 / 家族支援 / QOL / 包括的な行動的支援 |
Research Abstract |
1 課題1(縦断的研究) 養護学校中学部のつばはきや大声を示す知的障害児1名とその母親に対して、対象児と母親が家庭で実行できる日課プログラムの作成とその効果について検討した。家庭でのライフスタイルに沿った問題行動の機能的アセスメントと活動遂行のアセスメントにおいて、対象児と母親の必要性と実行性という基準から、標的行動と介入手続きを決定した。その結果、標的行動として選定された日課活動は確立し、ライフスタイルにおける望ましい変容、問題行動の減少が達成された。この結果は、生活を充実させ、その結果として問題行動を予防、低減するプログラムを対象児と母親が家庭で実行できることを示すものである。これらの結果から、問題行動の機能的アセスメントを基に、関係者の必要性と実行性から標的行動と介入手続きを決定することが有効なことが示された。 2 課題2(横断的研究) 小学校段階の自閉症児とその母親の3事例に対して、兄弟関係および日課活動を改善するプログラムの作成とその効果について、母親の必要性と実行性の観点から検討した。その結果、必要性は高いが実行性は低い標的行動は、初期には実行されたが継続されず、必要性は低いが実行性は高い標的行動は、介入の説明により、介入の実施と効果が得られた。この結果は、必要性と実行性が食い違う場合の標的行動と介入手続きの決定に関して、必要性と実行性を調整する支援の必要性を示している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 平澤紀子,小江嘉孝,持田智枝,海出剛,香川真理: "なぜ、そのような行動をとらざるを得ないのか?-通園科における行動障害理解に基づいた援助-"AIGO知的障害福祉研究. 48.2. 46-52 (2001)
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[Publications] 平澤紀子,由岐中佳代子,園山繁樹: "問題行動を有する自閉症者のQOLの向上を目指す援助方法の開発-実用的な機能的アセスメント様式とその活用方法-"西南女学院大学紀要. 5. 104-113 (2001)
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[Publications] 平澤紀子,藤原義博: "養護学校高等部生徒の複数の集会場面における奇声の改善-学校文脈に適合した機能的アセスメントに基づく指導-"兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科 教育実践学論集. (印刷中). (2001)
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[Publications] 平澤紀子,藤原義博: "武藤氏のコメントへのリプライ"行動分析学研究. 15.2(印刷中). (2001)
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[Publications] 平澤紀子,藤原義博: "養護学校高等部生徒の他生徒への攻撃行動に対する機能的アセスメントに基づく指導-Positive Behavioral SupportにおけるContextual Fitの観点から-"行動分析学研究. 15.1. 4-24 (2000)
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[Publications] 平澤紀子: "発達障害児者の問題行動に対する"Positive behavioral support"-応用行動分析における意義-"西南女学院大学紀要. 4. 60-68 (2000)
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[Publications] 平澤紀子: "乱暴な行動を示す重度知的障害生徒への援助-養護学校高等部での実践- 長畑道正・小林重雄・野口幸弘・園山繁樹編著 行動障害の理解と援助"コレール社. 179-190 (2000)